AXIS 167号は12月28日発売です。

カバーインタビュー 寄藤文平(アートディレクター)
「物事に優先順位を付け、情報を整理して並べる。そんなのはデザインの準備にすぎない」と語る寄藤文平氏。そこから人の気持ちを動かすにはどうすべきかを考えるのがデザイナーである、とも。JTの「大人たばこ養成講座」や東京メトロのマナーポスターといったユーモラスな広告や、世の中の事象をわかりやすく図解する数多くの著作に通じるのは、妥協のない深い分析と、そこから楽しく愉快にアウトプットしていく独特の“ズレ”なのかもしれない。

特集 クルマは想像を加速させる!
時の先端テクノロジーを取り込みながら、さまざまな技術の集積としてパッケージ化されるクルマ。その進化は、常に人々の想像を喚起し、移動の楽しみや可能性を押し広げてきた。さらに、情報化の急速な進展により、都市との連携やネットワークという、クルマ単体からの発想を超えた新たな可能性を探る動きも加速している。今改めてプロダクトとしてのクルマの魅力を確認し、そこから着想したアイデアやデザイン、サービスを紹介する。

匠のかたち 獅子頭
正月や祭りなどのハレの日に、無病息災や家内安全などを祈願して舞う獅子舞。7世紀頃、仏教の伎楽としてインドから伝わったとされ、日本各地で今も受け継がれている伝統芸能である。この獅子舞に欠かせない獅子頭に、寄せ木づくりの「尾張型(名古屋型)」があるのはご存知だろうか。16の部材に切り分けた木材を膠で接着して彫り上げていく。全国でも稀少になった獅子頭を専門とする職人の工房を訪ねた。

中邑賢龍(東京大学先端科学技術研究センター 人間支援工学分野 教授)
「これからは、エコからボコです」
障害のある子供たちをICT(情報コミュニケーション技術)によって支援し、社会参加を促進する活動を進める中邑賢龍氏。他方では、研究室内にロボットクリエイターの高橋智隆氏、プロダクトデザイナーの神原秀夫氏、アーティストの鈴木康広氏らを招き、博報堂ダイバーシティデザインとともに「凹(ボコ)デザイン塾」を設立。「人が凸(デコ)で物が凹、欠けている部分を補って完成するデザイン」を提唱する。「デザインが人も社会も変えてきた」と語る中邑氏は、今デザインをどのように捉え、世の中をどのように変えていきたいと考えるのか。

トピックス 領域の拡大を狙うシンガポール国立大学DICと子供のためのデザイン教育を推し進めるデザインシンガポール・カウンシル
アジアの大学ランキングで東京大学に次いで2位を誇るシンガポール国立大学。その校内に設立されたデザインインキュベーションセンターは自ら製造・流通・販売を担う独自ブランドを立ち上げるなど、他に類を見ない活動を展開する。一方、デザインシンガポール・カウンシルが近年力を入れるのは、子供のためのデザイン教育。それぞれ独立した活動であり関連性はないが、どちらも教育の場からデザインの意義を社会へ浸透させようという試みだ。

トピックス  金融の新たなUXを切り拓く試み—ライゾマティクス「traders(トレーダーズ)」
インターネットの進展とともに、超高速化が進む株式市場。その動向をインタラクティブに可視化し、全く新しいアプローチを試みたのが、ライゾマティクスの作品「traders(トレーダーズ)」だ。人間とコンピュータの協働による、新たな金融のユーザーエクスペリエンス(UX)を展望する。

その他トピックス
コクヨデザインアワード2013
オートモーティブ・デザイナーズナイト東京 2013

その他連載
ザ・プロトタイプ 三菱電機「調理家電コンセプト」
まばたきの記憶 「縁川のベンチ」 文・スケッチ/鈴木康広
廣村正彰のJunglin’ 「キャラクター大戦争」
本づくし・書評 増子由美/水口哲也/深澤直人
産学連携の正しいやり方 東京藝術大学と花王
フロム・ザ・ワールド ヘルシンキ/リスボン/ロンドン/デュッセルドルフ/アブダビ/東京
クリエイターズワーク&ソウル 小関隆一/ホルメン・ロイター・サンドマン・アーキテクツ ほか

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