AXIS172号は11月1日発売です。

カバーインタビュー アルベルト・メダ、プロダクトデザイナー
素材に対する論理や生産プロセスを踏まえた構造への高い意識によって、新しい現代の美を生み出しつづけるイタリアデザイン界の巨匠、アルベルト・メダ。しばしばイームズやプルーヴェの系譜になぞらえられるデザインは、彼の卓越した才能によって生み出されたものであることに間違いない。しかし、メダに対する関心はそこだけにとどまらない。むしろ、彼のデザイン姿勢が、テクノロジーや社会問題という時代の先端に対して常に実験的アプローチを試みようとする態度にある。70歳を目前にしてなお創造的な仕事に意欲を向ける点も、前世紀の偉大なデザイナーの姿とどこか重なって見える。

特集 観光立国ジャパン・ウィズ・デザイン
今や日本の大きな経済資源の1つとされる観光。観光庁の「観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014」によれば、2020年に向けて、訪日外国人旅行者数2,000万人を目指すという(2012年は1,036万人)。この従来とは次元の異なる目標を達成するには、既存の観光業界の枠を超えた、幅広い、これまた今までとは次元の違う取り組みが必要なはず。そこにデザインが大いに関わるべきだと思うのだが、いかがだろうか。

匠のかたち そろばん
そろばんの起源は、アステカともバビロニアとも中国とも言われる。日本には15世紀ごろ中国より伝わり、数を数える盤を意味する「算盤」の唐音「スワンバン」が変化して「そろばん」と呼ばれるようになった。現在のような形へ発展したのは江戸時代以降。上下段の珠の構成が変わり、枠を小型化し、珠をはじきやすいように、中国式の丸い形から円錐を2つ合わせた菱形状の珠になった。近年、この日本式のそろばんが世界で注目され、国内でも再評価されている。産地ではどのようにそろばんをつくっているのだろうか。雲州そろばんの里、島根県奥出雲町を訪ねた。

オピニオン 長屋明浩(ヤマハ発動機 デザイン本部長)
トヨタ自動車に30年間在籍し、レクサスのデザインやブランド構築をはじめ常にデザインの第一線で活躍してきた長屋明浩氏。その氏がヤマハ発動機に出向という2014年初頭のニュースには、自動車業界を中心に驚きの声があがった。そして去る7月、正式に同社のデザイン本部長に就任。ヤマハデザインのこれからについて聞くべく、同氏を訪ねた。

新連載 愛のコンティニュアスデザイン  清水久和×資生堂 「ホワイトローズナチュラル」
コンティニュアスデザインとは、S&O DESIGNの清水久和が掲げる独自の手法。粘土をこねるように3Dソフトを操ることで、道具を持ち変えることなく、スピーディで連続性のあるデザインを可能とする。本連載では毎号、各分野を代表する企業とS&O DESIGNが協働し、既存の枠組みにとらわれないデザイン開発に挑戦。オリジナルのコンセプトモデルを発表する。

トピックス 皆川 明×上田義彦 対談—風景としての服、結晶としての写真
015年にブランド設立20周年を迎える「ミナ ペルホネン」。節目となるこの時期に刊行された2014-15年秋冬シーズンブック『紋黄蝶』では写真家の上田義彦を起用し、「結晶」をテーマにさまざまな時間が重なり合う世界を提示した。新たな始まりに向けて、デザイナーの皆川 明は今何を考えているのか。初の協働となった上田を迎え、制作の背景について語ってもらった。

トピックス エーロ・アールニオとエリック・ブルン—フィンランドの巨匠たちに見る起業家精神
モダニズム、ミッド・センチェリー、レトロ、ヴィンテージ……。これらは、美術館の企画展のテーマのみならず、昨今流行りのデザインキーワードだ。そこには若者たちにとって新鮮に映る以上の、単なる懐古主義では片付けられない魅力が潜んでいるのではないだろうか。その謎を解くべく、フィンランドのふたりの巨匠デザイナーを訪ねた。

トピックス 音楽を結節点に、共創を牽引する試み「レッドブル・ミュージック・アカデミー東京2014」
世界各都市を巡る革新的な音楽の祭典が、この秋、東京に初上陸を果たした。10月12日から11月14日まで開催されている「レッドブル・ミュージック・アカデミー東京2014」。キーパーソン3名への取材を通して、表現文化が都市に与える影響について考察する。

トピックス トーヨーキッチンスタイル、100年に向けてー代表取締役社長 渡辺孝雄氏インタビュー[後編]
個性溢れる“スタイル”の提案企業として、新たな社名の下、スタートを切ったトーヨーキッチンスタイル。常に他にはないユニークな発信を続けてきた同社の今後のコンセプトとは? 前号に続き、代表取締役社長 渡辺孝雄氏に話を聞いた。

その他トピックス
東京ビジネスデザインアワード
デザインの意義を「活動」に探る

その他連載
ザ・プロトタイプ ホンダ「マイクロ発電機」
まばたきの記憶 「『見立て』の実験室」 」 文・スケッチ/鈴木康広
最終回 廣村正彰のJunglin’ 「秩序を誘う」
本づくし・書評 川田 学/安積朋子/深澤直人
産学連携の正しいやり方 京都精華大学と島津製作所
フロム・ザ・ワールド パリ/ナウムブルク/東京
クリエイターズワーク&ソウル 伊藤孝紀/スタジオ・スワイン ほか

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