2009年度グッドデザイン大賞は、
「誇るべき地方」の駅に

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2009年度グッドデザイン大賞の栄冠に輝いたのは、ワークヴィジョンズ+岩見沢レンガプロジェクト事務局の「岩見沢複合駅舎(駅舎および複合施設)」でした。受賞おめでとうございます!

今年のグッドデザイン賞(Gマーク)の頂点は、果たしてどのデザインか。東京ミッドタウンホール(港区)で11月6日に行われた選出式典で、「グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)」が大賞候補15件のノミネートから選出されました。Gマーク各賞の受賞者と審査委員、審議委員の投票によって決定した過程は、プレゼンターによるプレゼンを含め、ネットでもライブ中継されました。

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▲北海道・岩見沢市から市民有志たちが審査会場に駆けつけ、熱いプレゼンテーションを繰り広げました。

岩見沢駅舎は、2000年に三代目の木造駅舎が焼失。再建のため、JR北海道が行った公募型コンペで最優秀賞となったワークヴィジョンズの案が、4代目駅舎に採用されました。公共施設の「岩見沢市交流プラザ」と、駅南北を結ぶ「有明連絡歩道」を合わせた複合駅舎です。

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▲北海道の建築物は独自工法も用いたレンガ造りで有名。刻印レンガ募集プロジェクト「らぶりっく!!いわみざわ」では、参加者の名前と出身地が刻まれた4,777個のレンガが集まり、駅前広場に面した外壁に使用されました。雪深い冬、街を元気づける「真っ赤な顔」となります。

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▲開拓時代から石炭産業の発展を背景に、交通の要衝として栄えた岩見沢。「鉄道のまち」の記憶を引き継ぐため、ファサードの大きなガラス面を構成するカーテンウォールに使われたのは、約230本の古レールでした。

市民が集い、街の活気を生む場の象徴として。ワークヴィジョンズの西村 浩代表は「いまこそ地域の記憶に根ざした“閉じた”文化圏、個性ある『誇るべき地方』を再生すべき、と強く思います」とのメッセージを発しました。受賞企業名やデザイナー名のデータは、Gマークのサイトで見ることができます。