カバーインタビュー アトリエ・オイ
パトリック・レイモン、アルマン・ルイ、オーレル・エビの3人はともにスイス出身だが、文化的なバックグラウンドは一様でない。彼らがアトリエ・オイを結成してから25年。3人組という“最小限の多様性”は、さまざまなものを巻き込みながら活動の領域と規模を広げてきた。そのクライアントのリストには、イタリアの主要な家具ブランドから、世界的なラグジュアリーブランドまでが名を連ねる。今年は日本でも複数のプロジェクトが進み、決まった作風を持たない彼らの有機的なアプローチが明確なイメージを結びつつある。世界的にも高い評価を得る建築デザイン事務所アトリエ・オイの着想に迫る。
特集 素材と向き合う
自らの興味や疑問を出発点に、新素材の開発や既存素材の新たな活用に取り組むクリエイターたち。誰もが知る漆やコンクリートといった素材もその歴史を遡ったり、それぞれの特性を数値化することで、これまでとは異なる可能性が浮かび上がる。一方で、発明と言えるような素材開発に科学者たちと取り組む例も増えている。バイオテクノロジーテキスタイルの先駆者であるスザンヌ・リーは、デザイナーが科学への造詣をより深めていくことの必要性を力強く語っている。ここでは漆からバイオテクノロジー、ファッションから建築まで、さまざまな分野の素材開発に関する取り組みを紹介する。
・自らのマテリアルを他の人が使う意味を考える マックス・ラム、インタビュー
・ 鶏の羽がつくるサーキュラーエコノミー「エアロパウダー」
・自然と共生するデザインを求めて「フォメス・フォメンタリウス」
・1300年の革新「構造乾漆プロジェクト」
・海藻を球体化した新たなペットボトル「Ooho!」
・エンジニアが求める素材活用のカギ「スマート³ マテリアル、ソリューション、成長」
・バイオテクノロジーを駆使する未来のファッション「モダンメドウ」と「バイオファブリケート」
・化学の力で建築を考える「CO２エコストラクチャー」
・表現の可能性は既存素材の中にある「TANK」
・素材開発からまちづくりへ アトリエ・天工人 山下保博インタビュー
オピニオン ジョー・ゲビア（エアビーアンドビー共同創業者、チーフ・プロダクト・オフィサー）
民泊という新しいビジネスを生み出したエアビーアンドビーは、3人のデザイナーが創業したことで知られる。毎晩、世界中で100万人の人々が見知らぬ他人の家に泊まっているという、ビジネスとしては急速に成長を続けている同社は、今夏、新しい未来の姿を求めるための組織「サマラ」の設立を発表した。創業者のひとり、ジョー・ゲビア氏にその意図などについて語ってもらった。
トピックス 成熟した技術をハックするメーカーとベンチャー、それぞれのプロダクト
すべてのものがネットに接続されるIoT時代。そんな世界の到来を見据えたプロダクトが世に出はじめている。長く使われてきた技術を、新たな技術と発想でバージョンアップさせるソニーとMabeee（マビー）による挑戦。彼らの共通点からは、未来のものづくりの手法が見えてくる。
トピックス 義足と義手に現れた「ものづくり革命」の兆しー山中俊治×遠藤 謙×近藤玄大
リオデジャネイロ2016パラリンピックでは、男子400mリレーの日本代表が銅メダルを獲得した。性能が日進月歩で進化し、記録も大きく更新。スポーツ用義足はプロダクト開発の観点からも注目された。東京でパラリンピック大会が開催されるまでの4年間、開発の現場では何が起きるのか。義足と義手を手がける３人が語り合った。
トピックス 紙の可能性を追求するーー福永紙工とかみの工作所
福永紙工が仕掛けるデザインプロジェクト「かみの工作所」。多彩な紙製品を生み出すだけでなく、2015年には一般公募によるコンペを開催し、紙の立体化を探求する紙器研究所も設立した。かみの工作所が10周年を迎える今年、10名のクリエイターとともに「かみの重力」展を開催する。10周年企画展と次なる挑戦について聞いた。
その他トピックス
・「べからず社会」に生まれてー道路標識のデザインから考える
・橋梁デザイナー、大野美代子の仕事
連載
・ザ・プロトタイプ コニカミノルタ「マスク装着型ウェアラブルデバイス」
・最終回 まばたきの記憶 「「近所の地球の旅」 文・スケッチ・写真／鈴木康広
・本づくし・書評 尾形真理子（コピーライター、クリエイティブディレクター）／緒方壽人（Takram）
・産学連携の正しいやり方 京都造形芸術大学&東山区役所
・フロム・ザ・ワールド 北京／大阪
・クリエイターズワーク＆ソウル 本多達也／吉行良平
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