NEWS | プロダクト
2019.03.05 14:31
どの家庭でも、電気式の調理器具は用途に合わせて複数持っているだろうが、そのなかに「あらかじめ決まった機能がない」加熱機器はあるだろうか。
アメリカのインダストリアルデザイナー George Duanが公開した陶器製の電気式調理器具は、熱を発するコイル部分をあらかじめ陶器のなかに埋め込んだもので、コンセントを差し込むと陶器自体が強い熱をもち、そのままを調理器具として使用できる。
手作りの陶器で、形もひとつひとつ異なるので、ユーザーは何を食べるかによって陶器と向き合い、調理方法を考えなければならない。つまり、ユーザーの独創的な使い方に応じて機能が変わる装置なのだ。
蓋がついていれば蒸し器として使えそうだし、鉢のようになっていれば麺類を作ることもできるだろう。では、円錐形の調理器具ではどんな料理を作ればよいのだろうか。Duan自身は表面で肉を焼いたり、中に液体を入れて温めたりしているようだ。
料理と同じく、さまざまな調理器具が世界中で何世代にもわたり料理に影響を与えてきた。はたしてこの機能設計のない「未定義プロジェクト」から斬新なレシピが誕生するだろうか。料理する人の好奇心と創造性をくすぐるプロトタイピングといえるだろう。