タイの建築家ユニットSher Makerによるカフェのリノベーション
プラスチックカーテンでインタラクティブな壁を構築

タイ・チェンマイに拠点を置く建築家ユニット・Sher Makerが同市でリノベーションを手がけたカフェ「Boonma Studio」は、もともと木々に囲まれた丘にあったそうだ。もとの建物の高さは6mで、エントランスから建物までは8mと距離が近く、そこに広い私有林と無造作な自然の景観が溶け合っていたという。

そこでこのプロジェクトでは、この建物と同じ高さ6mのカーテンを屋外に設置。建物の半径で曲線を描くように、木々のあいだに半透明のプラスチックカーテンを吊り下げることで、エントランスから建物がはっきりと見えないようにした。

このカーテンには2つのねらいがあるそうで、建物に入る前にもうひとつ仕切りを設けて敷地内に新しい境界を創り出すこと、そして、来店者が自分でカーテンを開けて建物に入るインタラクティブな壁を作ることだという。

▲Photos:Rungkit Charoenwat

外壁はもともと鏡張りになっているので、この半円形のカーテンがそこに映り込むことで、完璧な円形ができあがるそうだ。また、建物内は空間の配置を再構成しながら、手頃な遮光フィルターを使って差し込む日差しを抑えることで、屋外テラスからの木々と風景の眺めが屋内から楽しめるようにもなっている。End