nendoが内外装デザインを手がけた
中国・上海のファッションビル「上海タイムズスクエア」

▲Photographer:Takumi Ota

中国・上海浦東地区のファッションビル「上海タイムズスクエア」のリニューアルプロジェクトが完了した。佐藤オオキが主宰するデザインオフィス nendoがその内外装デザインを手がけた。

地下2階・地上9階で延べ床面積は約53,200平米、約170のファッションブランドやライフスタイルショップ、飲食店が入居するが、既存の建物は改築や増築を繰り返し、主動線がジグザグに折れ曲がり、非常に見通しの悪い状態となっていたそうだ。また、いくつかある吹抜けは、まるで「井戸」のような形状で上層階との繋がりを欠いていたという。

▲Photographer:Takumi Ota

そこで、まず地上階のメイン通路を直線的にして買い物客が外部から入りやすくしつつ、上層階はエスカレーターの再配置と回遊動線を確保することで、スムーズな買いまわりができるようにした。

井戸状の吹抜けは少しずつずらし、「奥に進むごとに上の階の様子が徐々に現れてくる」ように視線と動線を連動させることで、自然と買い物客が上層階に誘われるような空間を構築。

▲Photographer:Takumi Ota

▲Photographer:Takumi Ota

その結果、まるで「劇場」のような空間構成が実現。チケット売場やホワイエといった空間を抜けて、徐々に上の階に昇っていくと大きなシアターが迎えてくれるような、そういった一連の体験とよく似たものになったそうだ。

また、シアターではどの席からでもステージ上が見えるようになっているが、ここも同じように視線の抜けを意識した階段状の造りとした。買い物客は、さまざまなブランドや商品、イベントなどを「鑑賞」する感覚が味わえるとともに、買い物をしている自分自身もインテリアの一部となって、ステージ上で「演技」をしているような気分にもなれるのだ。

▲Photographer:Takumi Ota

▲Photographer:Takumi Ota

▲Photographer:Takumi Ota

建物のファサードとアトリウムをドレープ状に柔らかく覆うのは、「舞台幕」をイメージしたアルミパイプ製のスクリーン。主要な柱や壁面の石材もドレープ状にした。そして、舞台を縁取るプロセニアム・アーチ風のモチーフを間仕切りや家具、照明などにも積極的に採用することで、空間に柔らかさや親しみやすさが出るようにしている。

さらに、通路から部分的にアトリウムに張り出した「ボックスシート」のような休憩コーナーや、貴賓席のようなVIPラウンジを設置。「ピアノの鍵盤」のようなフードコート、「スポットライト」をモチーフにした雑貨売場、館内のサイン計画に至るまで、「劇場」を想起させるデザイン要素をふんだんにインテリアに盛り込んでいる。End

▲Photographer:Takumi Ota

▲Photographer:Takumi Ota

▲Photographer:Takumi Ota