「BCウッド日本事務所」
ーーLIVING & DESIGN 2013 出展に向けて

今年で5回目を迎える住宅・家具関連産業見本市「LIVING & DESIGN」が、いよいよ11月27日(水)から大阪市北区の大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で始まります。今年は「住まいと暮らしのリノベーション」という、これまで一貫して掲げてきたコンセプトに加え、「ドレス・アップ―暮らしを着飾る楽しみ―」というテーマを新設。国内外113社、116小間の出展ブースを通じて、彩りに溢れた多様な住空間アイデアの提案が並びます。そこで3回にわたり「参加企業が語るLIVING & DESIGN」という視点で、各社の展示内容や見所などをお届けします。

第1回は、昨年に引き続き2度目の出展となるBCウッド日本事務所です。カナダ・ブリティッシュコロンビア州産のウエスタンレッドシダー(米スギ)の新たな魅力や活用方法をブースのデザインと一体でアピール。BCウッドの日本代表を務めるジム・アィバンオフさんは、「発想に柔軟な若い建築家やデザイナーに、ウエスタンレッドシダーを知ってもらう好機にしたい」と意気込みを語ります。

ブースを拡大、初披露の商材も

初参加となった昨年のブースの広さは4コマ(36m2)でしたが、今年は6コマ(54m2)に拡大しました。展示するのは、炭化させたウエスタンレッドシダーを素材に制作されたマーサ・スターディーさんのスツールやオブジェ、さらに京都の丸嘉という会社が輸入して販売するホワイトオークやソフトウッドの古材など、オールドランバーとヴィンテージージフローリングの製品が主です。特に丸嘉が扱う古材は、LIVING & DESIGNの会場で初披露となります。ひじょうに面白い商材なので、ぜひ建築家やデザイナーの人たちに見てもらいたいですね。

▲BCウッドのブースにて昨年に引き続き紹介されるマーサ・スターディーさんの作品。LIVING & DESIGNの会場ではウエスタンレッドシダーを用いた家具などが並ぶほか、阪急うめだホール・ホワイエで開催される個展では、彼女が得意とする樹脂やスチール、真鍮を用いた作品が紹介される予定。

ヴィンテージウッドと呼ばれる古材はこれまでも流通していましたが、今回のものは100年以上前に建てられたバンクーバー近郊の巨大倉庫で使われていたものを解体して製材したものや、納屋(倉庫)で実際に使われていた古い木製の外壁材です。風合いやスケールの点でも従来品とは全く違った魅力を備えている。見る人が見れば内装材やインテリアなど多彩な活用方法が思い浮かぶはずです。そういう意味で、アイデアを触発するマテリアルだと考えています。

樹種の特性をアピールし、用途の幅を広げる

私たちが主に取り扱うウエスタンレッドシダーは、日本でも古くから活用されてきた樹種の1つです。ただし、米スギと呼ぶ習慣が残っているように、この樹をスギの一種と勘違いしている人が少なくありません。実際はヒノキ科の樹で、水にも強く、強固で耐久性にも優れている。ゆえに、デッキ材として活用されるケースが多いのですが、私たちはそれ以外の用途の広がりを常に期待しています。

▲納屋(倉庫)で使われてきた古い木製の外壁材など、丸嘉が紹介するヴィンテージウッドは、クリエイターの発想次第で空間にさまざまな表情をもたらすことでしょう。

建物の外壁に用いたり、インテリアの一部として壁材に利用したりと。ブース内では、そうした施工事例の情報も積極的に発信していきます。少しでも関心を持っていただけたら、スタッフにどんどんと声をかけてほしい。新しい発想に柔軟な建築家やデザイナーとのつながりを強めたいというのが、LIVING & DESIGNに参加する大きな目的ですから。

展示ブースとセミナーで相乗効果を

展示内容以外にもウエスタンレッドシダーや古材の魅力を訴える施策をいろいろと用意します。その1つが展示ブースの造作です。アンプラグドデザインを主宰するデザイナーの高村裕之さんに協力いただき、視覚や嗅覚に訴えるデザインになっています。近くを通ると、見た目のインパクトと漂う木の香りでブースに入らずにはいられなくなる。製材時に出た木屑を床に敷き詰めて皆さんの来訪をお待ちしています(笑)。ウエスタンレッドシダーの香りや、足を介しての感触、音なども楽しんでもらえるのではないでしょうか。

▲BCウッドの展示ブースを手がけるのはアンプラグドデザインの高村裕之さんです。視覚だけではなく、嗅覚や触覚にも訴えるデザインでウエスタンレッドシダーの魅力を伝えます。

さらに、会期2日目の28日(木)の16時からは、「注目の素材=ウエスタンレッドシダーでエコモダンな日本の建築を。」と「古材(バーンウッド)を使った店舗は集客力を3倍にします!」と題した2つの講演を行います。後者のセッションには先述の丸嘉の小畑隆正代表が登壇されるので、商業空間におけるアイデアを探していたり、集客にお悩みになっている人には、新たなヒントを見出す好機になると思います。

創造の場として、積極的な活用を

マーサ・スターディー氏の作品は、見本市会場のほか、阪急うめだ本店(大阪市北区)9階の阪急うめだホール・ホワイエで開催される彼女の個展(会期は12月1日まで)でも同時期にご覧いただけます。これは昨年LIVING & DESIGNに出展したことがきっかけで、実現した企画です。ウエスタンレッドシダーの表面を炭化させて黒光りした家具やオブジェといった作品類、女性ならではの感性で磨かれたフェミニンなインテリア小物からは、建材に見られる「剛」のイメージとは異なるウエスタンレッドシダーの魅力を感じ取ってもらえるはずです。

▲BCウッド日本代表のジム・アィバンオフさん。「素材の性質をきちんと伝え、ウエスタンレッドシダーを魅力的に感じてもらえる場にしたい」と話します。

実は、マーサのデザインは日本の文化からも多くインスピレーションを得ています。その意味で、彼女の感覚を介して作品に還元される“日本的な要素”を発見するという楽しみも味わってもらいたい。2つの会場での展示を通じてウエスタンレッドシダーの需要や関心が高まることを私たちは強く期待しています。同時にLIVING & DESIGNにおいては、特に建築や家具、空間における新たなアイデアを発想する場として、この展示会を積極的に皆さんに活用してほしいと思っています。(文/編集部・上條昌宏)

LIVING & DESIGN 2013
会場大阪国際会議場(グランキューブ大阪/大阪市北区中之島 5-3-51)
会期:2013年11月27日(水)~11月29日(金) 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
入場料:1,000円(招待状持参者、事前登録者無料) 事前登録はこちら
主催:LIVING & DESIGN 実行委員会

BCウッド日本事務所主催セミナー
日時:11月28日(木) 16:00~17:30
会場:大阪国際会議場(グランキューブ大阪)10階会議室1001
入場料:無料(定員120名)
テーマ:「注目の素材=ウエスタンレッドシダーでエコモダンな日本の建築を。」「古材(バーンウッド)を使った店舗は集客力を3倍にします!」
申し込み方法:ウェブサイト(http://www.living-and-design.com/seminar)にて受付中

BCウッド日本事務所の展示ブースは、正面エントランスから入り、カフェスペース左手奥の13番コーナーになります。