NEWS | アート / グラフィック / 展覧会
2025.05.14 15:52
石川県野々市市にある五十嵐威暢アーカイブでは、展覧会「ON THE GRID」が2025年8月31日(日)まで開催中。
同アーカイブは、金沢工業大学ライブラリーセンター内にあり、2025年2月に逝去した彫刻家でグラフィックデザイナーの五十嵐威暢が寄贈した作品や資料約5000点を収蔵する施設である。2つの展示室では、同氏の作品を紹介する常設展示に加え、企画展示や関連イベントなどを展開している。
今回の展覧会では、空間全体をグリッドで覆い、そこにアーカイブ所蔵の五十嵐の作品や制作資料、同氏が愛用した道具や雑貨、さらには親交のあった作家やデザイナーによる作品などを展示する。多様な品々をグリッド上に配置して、私たちを取り巻く世界やそれらを構成する要素の関係性を視覚的に把握することがねらいだ。
ポスター EXPO’85(1982)
日本タイポグラフィー協会のロゴT(1978)
コードレステレフォン(1989)
陶器の花器(1990)
展示品のなかには、私たちが普段目にするような身近なものもあるが、それらを水平・垂直に引かれた線の上に置くことで、いつもと異なる印象を与え、これまで気づかなかったもの同士の関係性を浮かび上がらせる。また、グリッド上に整然と並べることで、混沌とした状態の品々にひとつの秩序が生まれる一方、共通の単位に落とし込まれ、それぞれの個性が均質化してしまう危うさをも提示する。
ポスター 渋谷PARCO PART3開館(緑)戸田正寿デザイン(1981)
鋳物のスツール(1989)
ポスター NOH(1981)
グリッドは、五十嵐のデザインや彫刻作品にも繰り返し用いられてきた要素である。そこにはどんな意図が込められているのだろうか。グリッドのもつ可能性や制約を手がかりにしながら、同氏の創作活動をたどる機会となるだろう。
五十嵐威暢アーカイブ 展覧会「ON THE GRID」
- 会期
- 2025年4月28日(月)~8月31日(日)
- 会場
- 五十嵐威暢アーカイブ(石川県野々市市扇が丘7-1 金沢工業大学ライブラリーセンター2F)
- 詳細
- https://igarashiarchive.jp/exhibition/1509/?lang=ja
- 常設展示
- 五十嵐威暢-「環境」を求めて