四半世紀にわたる活動を振り返る大規模個展
「藤本壮介の建築:原初・未来・森」開催

《ラルブル・ブラン(白い樹)》2019年 フランス・モンペリエ
Photo by Iwan Baan

東京・六本木の森美術館は、建築家 藤本壮介の初となる大規模個展「藤本壮介の建築:原初・未来・森」を、2025年7月2日(水)から11月9日(日)まで開催する。

今回の展覧会では、「武蔵野美術大学美術館・図書館」(2010)や「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013」(2013)といった初期の作品から、フランス・モンペリエの集合住宅「ラルブル・ブラン(白い樹)」(2019)、さらには世界各地で現在進行中のプロジェクトまでを網羅し、四半世紀にわたる藤本の歩みや建築の特徴、思想を概観する。

《武蔵野美術大学美術館・図書館》2010年 東京
Photo by DAICI ANO

《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》2013年 ロンドン
撮影:イワン・バーン

《ハンガリー音楽の家》(内観)2021年 ブダペスト
Photo by Iwan Baan

展示は、模型や設計図面、竣工写真に加え、藤本の世界観をより視覚的・聴覚的に体感できる構成となる。空間を体感できる大型模型、思考の過程を実験的に表現したプロトタイプ、同氏の創作の根幹にある「森」をコンセプトにした新作の大型インスタレーションなど、現代美術館ならではのスケールで建築展を展開される。

《明治公園整備・管理運営事業》2026年竣工予定 福岡

《国際センター駅北地区複合施設(仮称、仙台)》2031年度竣工予定 宮城
© Sou Fujimoto Architects

《深圳博物館新館(深圳改革開放展覧館)》2027年竣工予定 中国・深圳
© Sou Fujimoto Architects & Donghua Chen Studio

《模型の森》(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

「2025年大阪・関西万博」大屋根リング模型(展示風景予想図)
© Sou Fujimoto Architects

会場デザインプロデューサーを務める2025年大阪・関西万博の象徴「大屋根リング」も紹介。5分の1模型や外観写真、構想から竣工までの関連資料のほか、大型インスタレーション「模型の森」に設置される模型など、展示室内の各所でさまざまな視点からリングのコンセプトに触れることができる。

《House NA》2011年 東京
Photo by Iwan Baan

《House N》2008年 大分
Photo by Iwan Baan

《白井屋ホテル》2020年 群馬
撮影:田中克昌

自然豊かな東神楽町で生まれ育った藤本の原風景には、北海道の雑木林がある。巨大都市の入り組んだ路地や雑多なものにも、森のようなゆるやかな秩序があると藤本は考える。森も都市も複層的であり、命が生まれ循環する場で、それは未来の建築や社会のモデルにもなりうる。展覧会の副題には、こうした藤本の想いが込められている。

藤本は展示に向けて、「さまざまな価値観がバラバラであることの良さと寂しさが行き交うこの時代に、そこに豊かな『つながり』をつくり出せないかと模索しています。『こんな建物や街で暮らしたら、世界はどう見えてくるのだろう』とみなさんの想像と希望が膨らみ、未来をポジティブに考えるきっかけとなれば嬉しいです」とのメッセージを寄せている。End

藤本壮介
Photo by David Vintiner

展覧会「藤本壮介の建築:原初・未来・森」

会期
2025年7月2日(水)~11月9日(日)
休館日
会期中無休
開館時間
10:00~22:00
※最終入館は閉館時間の30分前まで。
※火曜日のみ17:00まで。ただし、9月23日(火)は22:00まで。
会場
森美術館(東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階)
詳細
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/soufujimoto/index.html