海運国バーレーン 伝統的帆船が織り成す物語

ペルシャ湾に浮かぶ島嶼国、バーレーン。同国のパビリオンの設計と展示のアートディレクションを担ったのは、同じ中東で生まれ、パリを拠点に活動する建築家リナ・ゴットメだ。彼女がモチーフに選んだのは、海運を中心に栄えたバーレーンの歴史と文化に欠かせないアラビアの伝統的帆船「ダウ船」。無垢材の骨組みを大胆に見せる構造は、ペルシャ湾の波や風、そこで繰り広げられてきた豊かな交易を彷彿とさせる。

会場ゲートからほど近い場所に位置する日本館の外観。鉄骨造で延べ面積は約11,000㎡、建築面積は約8,200㎡。パビリオンとしてだけではなく、各国のVIPをもてなす迎賓館としての役割も担う。

バーレーンの海運文化を築いた「ダウ船」

パリを拠点に活動するリナ・ゴットメは、バーレーン・パビリオンを歴史的な帆船「ダウ船」からインスピレーションを得てデザインした。同じ中東の国、レバノンのベイルートで生まれたゴットメが持つアラブ文化への造詣は深く、この地域に根付く伝統、クラフトマンシップ、そして物語をふんだんに用いるというアプローチは、彼女がほかの建築デザインにおいても実践しているものだ。