意思決定のデザイン|
建設的な対話のための「具体」/プロトタイプの重要性

今、日本の行政や企業に必要なものとは何だろうか。未来のビジョンか? 揺るがない価値観か? —KESIKI代表の石川俊祐が、現代に求められる「意思決定のデザイン」を語る。

試しにつくってみることの効能

前回は、よりよい意思決定を生むために「運命共同体」としてメンバーが同じ体験を共有することが大切だ、という話をしました。今回は、メンバーが事業そのものをつくるために、建設的な対話をしていくための方法として、「具体」つまりプロトタイプの重要性について話してみたいと思います。

組織が大きくなればなるほど、「まず体験してみよう、試しにつくってみよう」という考えになりにくいことが多い。何かつくるにしても稟議を通して、完璧なものをつくりたい。「ラフにつくるなんて恥ずかしい」という感覚があるのかもしれませんが、つくってみないと見えないこと、議論できないことがたくさんあります。