NEWS | 工芸
2025.10.03 14:22
「POJ Studio」外観(左)と内観。
日本の伝統工芸のライフスタイルプロダクトとして発信するPOJ Studioが、2025年8月29日に京都・五条に新拠点をオープン。築100年以上の町家を改修した3階建ての空間は、「見る」「触れる」「体験する」場として再生され、工芸の物語が暮らしに感じられる場所となっている。
各階には、和紙作家・ハタノワタルによる和紙家具や仕上げ、畳職人・横山 充の丁寧な仕事、入口の提灯や暖簾、国内産木材を使った什器などを設置。POJ Studioとゆかりのある職人の技と美意識によって設えられたものだ。
看板は提灯。
2F 内観
1F 内観
本拠点は工芸品を間近で「見る」だけでなく、「触れる」「体験する」場としての役割にも力を入れている。たとえば、金継ぎワークショップで器の修復技術を学べるほか、大切な器をリペアサービスで復活させることも可能。季節ごとの作家展を通じて、さまざまな工芸や作家の物語に出会えるのも魅力だ。
金継ぎイメージ。
さらにPOJ Studioは、小売およびEコマースでの販売に加えて、工芸品を用いたインテリアコンサルティング「POJ Studioインテリア」の提供も開始。京都・京北での木工見習いプログラムなど、技術の継承と文化の再生を意図した教育的な取り組みも計画中だ。
創業以来、POJ Studio は全国59もの工房と協力し、毎年10組前後の新しいつくり手とともにプロダクトを開発してきた。代表の小山ティナは、「工芸が持つ力を次世代へとつなげていきたい」と語り、新拠点を通じて工芸をより身近に感じられる場づくりを進めている。今後も工芸の可能性を広げるべく、活動の幅をさらに広げていく考えだ。