感情を伝える触覚デザイン
コンパニオンデバイス「TruTru」

「TruTru」©️JUE Design and Research Studio | JUE drs

北京とサンフランシスコに拠点を置くJUE Design and Research Studio(JUE drs)は、香港理工大学のインテリジェント・ヒューマン・マシン・メカニカル・インターフェース・ラボ(iHMMI Lab)と共同で、感情を伴う触覚体験を生むインタラクティブな触覚コンパニオン「TruTru」を開発した。

TruTruの表面は、触れる人に応じて柔らかな触覚表現を返すよう設計されている。石、木、砂、羽、貝殻など自然素材の質感はもちろん、布やラバー、セラミックといった人工素材の手触りも再現可能だ。さらに、水面のさざ波、雨音、風の気配、蝶の羽ばたき、鼓動のリズムなど、流動的変化を伴う感覚のシミュレーションも試みられている。これらは、摩擦・温度・振動などの触覚パラメータを精緻に制御することで可能になった。

©️JUE Design and Research Studio | JUE drs

デバイスには複数のモードが搭載されており、利用シーンに応じて多様な触覚体験を提供する。コンパニオンモードでは、近くに人が近づくと柔らかく光を放ち、タップ操作に応じて微細な振動を返すことで、まるで対話を交わすようなインタラクションが生まれる。

©️JUE Design and Research Studio | JUE drs

瞑想モードでは、穏やかな触覚パターンが集中や心の安定を促すように設計され、静かな呼吸とともに内省を深める時間を演出。スリープモードは、33〜35℃ほどの温度変化とゆるやかな振動リズムで、呼吸や心拍の動きを模倣し、使用者を深い休息へと導く仕組みだ。さらにカスタムモードにより、ユーザー自身は触覚の反応パターンや強度を自由に設定でき、自分だけの感覚的なパートナーとしてカスタマイズできる。

©️JUE Design and Research Studio | JUE drs

TruTru は、身体を通じた直感的な触覚操作を重視しており、ダブルタップや軽いシェイクなどのジェスチャーでモードの切り替えや触覚表現の選択が可能。モード変更や設定詳細は付属アプリで調節可能だが、主たる体験はあくまで触覚を通じて展開される。

©️JUE Design and Research Studio | JUE drs

感覚を通じて心身の調律を支援する、これからのウェルビーイングデバイスのあり方を予感させるデバイスだ。End