スマートフォンを手にする前に
Pentagramが手がけた「KARRIメッセンジャー」第二世代

「KARRI」 Photos by Jon Marshall, Pentagram

ロンドン拠点のデザインスタジオ Pentagramは、子ども向け音声メッセージ端末「KARRI」の第2世代モデルを発表した。対象年齢の5~13歳の子どもが、スマートフォンを手にする前段階として、安全かつ直感的にコミュニケーションできるよう設計されたプロダクトである。

KARRIは、スマートフォンまたは同デバイス同士で音声メッセージをやり取りできるスマートメッセンジャー。専用のデータSIMを内蔵し、すべての携帯電話のネットワークに対応する。GPS機能により子どもの居場所をアプリで確認でき、ジオフェンスと呼ばれる安全区域を定めることも可能だ。

第2世代モデル開発では、Pentagramのインダストリアルデザインチームが、家族や子どもたちへのインタビューやプロトタイプ試験を重ねた。そこで重要視されていたのは、子ども自身が端末を直感的に操作できるインターフェースの必要性である。画面を複雑化するのではなく、シンプルな操作体系を追求した結果、「スライド・トゥ・トーク」という、レコード・再生・送信・削除という4種の操作をひとつのボタンで切り替えられるインターフェースが採用された。

第二世代は、従来世代よりもポケットに収まりやすいサイズに抑え、情報表示はLEDマトリクスディスプレイを採用。シリコン製のバンパーケースやストラップを装着することで持ち運びやすく、ファッションアクセサリーとしても身につけやすく設計されている。

KARRIの第二世代は、公式サイトにて予約販売中で、2026年初頭のリリースを予定している。子どもへの視点を尊重しながら、安全で感覚に響くコミュニケーションツールが登場した。End