光と語らう空間
アントニ・アローラ展「光との対話」開催

1階展示「Modelling Light / 光の造形」

スペインの照明ブランドのサンタアンドコールは、長年コラボレーションを続けてきたアントニ・アローラの創作に焦点を当てた展覧会「アントニ・アローラ 光との対話」を西麻布のカリモクリサーチセンターにて10月10日から11月5日まで開催中。

アローラは1960年、スペイン・タラゴナ生まれ。バルセロナのエイナ・スクールで学び、香水瓶から建築スケールの照明計画まで幅広いプロジェクトを手がけてきた。2003年にはスペイン国家デザイン賞を受賞。技術・感情・空間を繊細に融合させるその作風から「光の巨匠」とも称される。光を単なる照明効果としてではなく、感性のような見えないものを現実の体験に変えるものとして捉える姿勢は、世界中で高く評価されている。本展は、アローラの創作思想を空間的に体験することができる。

地下1階「The Metaphor/メタファー」では、自然と技術が交錯する光のインスタレーションを展開。枝をなぞるように走る光線が不規則な影を落とし、日本の「木漏れ日」へのオマージュを表現する。

地下1階展示「The Metaphor/メタファー」

1階「Modelling Light/光の造形」では、サンタ&コールが厳選した照明コレクションを展示。代表作「ラミナ ドラーダ」や「モアレ」シリーズなど、光が形を超えて空間を構築するアローラの美学を体感できる。

1階「Modelling Light/光の造形」

2階「The Gaze/眼差し」は、アローラ・スタジオの制作過程にフォーカス。スケッチやプロトタイプ、実験的なオブジェが並び、光と観察、思索の往還が可視化される。

2階「The Gaze/眼差し」

さらに本展では、カリモク家具との協働による新作も展示される。木の温もりを活かしたテーブルランプ「シロ ウッド」や、カメルーンの職人たちとともに制作した木製スツール「アルト」「ヴォルタ」が登場。「シロ ウッド」は2026年の販売開始が予定されている。

「Shiro Wood(シロ ウッド)」

Alto & Volta(アルト&ヴォルタ)

アローラが語る「光は色彩、強弱、濃淡、その魔力により自己表現をする。自身にとって
光はただ遊ぶための口実にすぎない」という言葉の通り、展示空間全体が光と人の関係性を再発見するための舞台となる。サンタアンドコールとアローラ、そしてカリモク家具という三者の感性が交わるこの展覧会により、光がもつ知覚の奥行きを再確認したい。End

アントニ・アローラ 光との対話

会期
2025年10月10日(金)- 11月5日(水)
開館時間
12:00 – 18:00
※最終日最終入場15時まで・16時閉館
会場
KARIMOKU RESEARCH CENTER
(東京都港区西麻布2丁目24-2)
入場料
無料
詳細
https://www.karimoku-research.com/jp