コクヨ×VUILDによるデジタルファブリケーションコンペ 
第1回「Digi Fab Award 2025」受賞作品が決定

コクヨ株式会社と建築系スタートアップVUILDが共催する国際コンペティション「Digi Fab Award 2025 by KOKUYO×VUILD」の受賞結果が発表された。26か国から143点の応募があり、グランプリ1作品、優秀賞2作品、佳作5作品が選出された。

デジタルファブリケーション技術を活用した建築・家具デザインを募る同アワード。初開催となる今年のテーマは「Personal and Public」。個人的な空間と公共的な空間を横断する新たなデザインの可能性を探求した。

グランプリに選ばれたのは、Superficium Studio(Samuel Esses、Jonathan Wong)による「Strata Engawa」。日本の「縁側」を地層状の積層木材構造として再解釈し、等高線のような形状が座る・寝転ぶ・集うといった多様な過ごし方を受け入れるプラットフォームを形成する。アシンメトリーな構造により、瞑想に適した個人的空間と開放的な共有空間を両立させた。

「Strata Engawa」Superficium Studio

優秀賞を受賞した中倉徹紀、中川功大、堀智洋による「A LOOSE COLLECTIVE FOR CIRCULAR TIMBER PRACTICES」は、老朽化した街路樹を活用した木材循環システムを提案。3つの部材をねじり嚙み合わせたリング構造により、運搬・組立・分解が容易な架構形式を実現した。

「A LOOSE COLLECTIVE FOR CIRCULAR TIMBER PRACTICES」中倉徹紀・中川功大・堀智洋

同じく優秀賞の安達慶祐、田名部滉人による「BIOTOPE OF TABLE」は、都市における新たな公共性を3層の微地形テーブルとして表現。従来の平面的なテーブルから脱却し、スケールを横断した居場所を創出した。

「BIOTOPE OF TABLE」安達慶祐・田名部滉人

このほか、祈りのための公共空間を描いた「Leaf chapel」(安藤良和)、個と他者の関係を媒介する「DWELL OBJECT」(稲野邊義紀)、木の多様性を生かした構築的提案「grove」(風祭覚)、空を見上げる体験を誘う「空の場」(芥川佳世)、可動モジュールで変化する空間「CoAxis: Flux Chamber」(Jianang Wu、Zhaoyang Cui)の5作品が佳作を受賞。

「Leaf chapel」安藤良和

「DWELL OBJECT」稲野邊義紀

「grove」風祭 覚

「空の場」芥川佳世

「CoAxis: Flux Chamber」Jianang Wu,Zhaoyang Cui

グランプリ作品は2025年10月17日(金)からヴェネチアのヨーロッパ文化センター「Palazzo Mora」で、11月18日(火)からはコクヨ品川オフィス「THE CAMPUS」にて展示される。End

グランプリ作品展示

会場(海外)
ヨーロッパ文化センター「Palazzo Mora」
(European Cultural Centre, Palazzo Mora, Strada Nuova #3659, 30121 Venezia, Italy)
会期
10月17日(金)~11月23日(日)10:00-18:00
入場料
無料
会場(国内)
コクヨ品川オフィス「THE CAMPUS」
(東京都港区港南1-8-35)
会期
11月18日(火)~11月21日(金)9:00~18:00
入場料
無料