Photo by Shunsuke Watanabe

関ヶ原石材とアーティスト長谷川依与とのコラボレーションによる展示「Strata」が、同社東京ショールームにて12月26日（金）まで開催。自然が形成してきた石材の層やテクスチャーに焦点を当て、アートとデザインの可能性を提案する。

長谷川依与はインテリアデザインとインスタレーションを横断するアーティストで、素材の可能性を起点に日常にある物の価値を再定義する制作を行っている。ALCOVAや5VIE、Collectible（ブリュッセル）、3daysofdesign（コペンハーゲン）など、国際的なデザインイベントでも作品を発表しており、素材に触れ、その機能と姿を変容させるプロセスを探求している。

Photo by Shunsuke Watanabe

本展の中心となる「Strata」は、大理石を「ひとつの塊」としてではなく、「幾重にも重なる層」として捉え直すシリーズだ。細長い石材の断片を整然と並べながら、わずかにずらすことで秩序と揺らぎの境界に幾何学的な表情を生み出す。地殻が長い時間をかけて積み重ねた層の記憶と、手作業による微細なズレが呼応し、静かなリズムを帯びた造形へと変換する。材料には、建築加工の過程で端材や砕石として排出される石片を用いており、失われた時間を再びかたちに還す試みでもある。

会場ではこのほか、丹青社の新人研修「人づくりプロジェクト」で制作された「gura-gura？」や、東京香堂のお香立て「Zephyr」も展示される。さらに会期中は、端材を一つ持ち帰ることができる企画「いしひろい」も実施され、素材に直接触れる機会も設けられている。

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