「環境現象」をテーマとした没入型ミュージアム
「teamLab Phenomena Abu Dhabi」建築概要を公開

「teamLab Phenomena Abu Dhabi」の建築 ©DCT Abu Dhabi, Miral

アブダビのサディヤット文化地区に、teamLab Phenomena Abu Dhabiが2025年4月18日にオープンする。チームラボとアブダビ文化観光局、デベロッパーのミラル社による本プロジェクトは、デジタルテクノロジーを用いた没入型アートと建築を一体化させた常設ミュージアムであり、同地区の文化的展開における新たな節目となる。

© teamLab Architects

同施設では、「環境現象」をテーマとしたデジタルテクノロジーによるアート作品を多数展示。建築はカタールを拠点とするMZ Architectsがリードアーキテクトを務め、チームラボアーキテクツがコラボレーティブに参画。砂丘のうねりや海の波といった自然の有機的な形態から着想を得た外観は、内部の曲線的な空間構成をそのまま反映し、内外が連続する彫刻的な建築として立ち上がっている。

©teamLab Architects

チームラボ《Circulating Universe of Water Particles》©teamLab

うねる壁面や境界を感じさせない構造は、来場者を包み込み、さまよいながら探索する体験を促す。内部には、柱のように見えながら実際には構造体ではない装置や、デジタルとリアルの誤差を極限まで抑えるための独自ソフトウェアなど、作品体験を成立させるための建築的・技術的工夫が随所に施されている。総延床面積約1万7,000㎡に及ぶ空間は、7年にわたる国際的な協働によって実現した。

© teamLab Architects, Photograph by Vincent Hecht

© teamLab Architects, Photograph by Vincent Hecht

こうした空間づくりについて、チームラボアーキテクツ代表の河田将吾は「今回は建築の外形からではなく、作品体験にとって最適な環境を先に考え、内部空間の形状を決めていきました。その結果、内部で生まれた形がそのまま外観にも表れており、空間と体験が切り離されない建築になっています」と語る。

チームラボ《グラフィティネイチャーと鼓動する大地》©teamLab

チームラボ《Biocosmos》©teamLab

ルーヴル・アブダビをはじめとする文化施設が集積するSaadiyat Cultural Districtに位置する本ミュージアムは、アート、建築、テクノロジーが境界なく交差する体験の場として構想されている。End