
特集
未来視点のデンマークデザイン
未来を見据えた視点は、今やものづくりに欠かせないものになりました。それを軽やかに取り込み、原動力に変えているのがデンマークのデザインです。前提を問い直しながら暮らしに寄り添う建築。環境負荷や製品寿命、労働環境まで考慮しながら、美しさや心地よさに妥協しない家具やファッション。自ら挑戦の場を生み出すデザイナー。市民や生産者が協働して更新し続ける持続的な食文化。そしてそれらを後押しする社会の仕組みや制度。共通するのは、彼らにとって未来とは身構えて語る理想ではなく、日々の暮らしをより良くするための選択の積み重ねだということ。この国の“未来視点”は、生活のなかで自然と育まれています。
| Vol.235 | 2025年12月27日 発売 |
|---|---|
| 定価: | 2,500円 |
| 表紙: | ビャルケ・インゲルス |
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COVER STORY
ビャルケ・インゲルス
世界で最も注目されている建築家のひとりであり、デンマークを代表する人物でもあるビャルケ・インゲルス。彼が率いるビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)は、ニューヨークや上海など世界9カ所に事務所を構え、総勢700人が働くという。2023年に建設された本社屋はコペンハーゲン湾の一角にあり、インタビュー中、大きな窓からはゆったりと航行する大型クルーズ船が見えた。

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未来視点のデンマークデザイン
暮らしが育てるコペンハーゲンの街
公園や運河でくつろぎ、自転車でどこへでも行ける。心地良い日常が息づくコペンハーゲンでは今、各地で再開発が進んでいる。人々の暮らしを大切にしながら、どう街を育てているのか。
デンマークに2012年頃から住み、今は日本と2拠点で活動するモック・アーキテクツ(mok architects)の森田美紀と小林 優に話を聞いた。

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未来視点のデンマークデザイン
街と人を動かすデザインイベント
日本でも注目が高まるデザインイベント「3daysofdesign」。2025年には新たなプラットフォーム「アザーサークル」も立ち上がり、6月の同時期に開催されるイベントを総称して「コペンハーゲンデザインウィーク」という名称が定着しつつある。また、秋には「マインドクラフト・プロジェクト」や「SE」と呼ばれる「家具職人の秋季展」もある。デンマークのデザインシーンを形づくる、多彩なイベントを紹介する。

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未来視点のデンマークデザイン
時代を静かに更新する家具ブランドとデザイナー
今の時代にものを生み出すことの意味と責任を見つめ、真のサステナビリティを実践する家具ブランド。自らの手を動かし、問いを深めながら新たなアイデアを試すデザイナー。伝統的なクラフトマンシップを大切にしながら、価値観を静かにアップデートする、ふたつの家具ブランドと4組のデザイナーを訪ねた。

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未来視点のデンマークデザイン
美しさと責任を両立させるデンマークファッションの今
ファッション領域で“ サステナブル最先端”と称されるデンマーク。パリの物語性、ミラノのラグジュアリー、ニューヨークの商業合理性とは異なり、機能性と控えめな美意識を土台に、環境配慮と社会的責任がデザイン思想を育んできた。過去10年で大きく転換したデンマークのファッションシーンを辿り、未来志向のものづくりの精神に触れる。

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未来視点のデンマークデザイン
デンマーク建築はなぜ今、 世界の未来像を 更新しているのか
サステナビリティと創造性を両輪に、都市計画から文化遺産まで多様な領域で革新を続けるデンマーク建築。地域性に根ざしたデザインから気候変動への応答、そして日常を豊かにする遊びの提案まで、注目の5事務所を紹介する。後半では、BIGでの経験をもつ建築家の神谷修平が、その背景にある“ 体系的創造性” の本質を語る。

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未来視点のデンマークデザイン
「人間中心の街」 コペンハーゲンはどうつくられたか ― 都市を変えた建築家、ヤン・ゲール
ヤン・ゲールといえば、都市計画を勉強したことがある人なら知らぬ人はいないほど著名な建築家であり、学者、アーバニストでもある。最初の著作『建物のあいだのアクティビティ』(1971年)は世界各国で翻訳され、今も読み継がれる名著だ。2000年代に入り、ニューヨーク、ロンドン、シドニーといった大都市の市長たちは、こぞってゲールに教えを請うたという。彼の最初の実験都市であるコペンハーゲンについて、ゲールに尋ねた。

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未来視点のデンマークデザイン
協働がつくる食文化— 進化し続けるデンマークの日常食
075
未来視点のデンマークデザイン
「AAMANNS」 アダム・オーマンに聞く 伝統食「 スモーブロ」のリデザイン
076
未来視点のデンマークデザイン
「食は自己表現」—デンマークのベーカリーブームを支える育種家
082
未来視点のデンマークデザイン
FRITZ HANSEN EXHIBITION in HONJIMA 2025
086
未来視点のデンマークデザイン
成熟した自転車文化が示す、新しい移動のかたち
144
スコープ
インダストリアル ロマンティシズムは失われた夢を取り戻すことができるか
150
スコープ
プロジェッティスタ城谷耕生—イタリアから雲仙小浜へ ひとりのデザイナーの軌跡
156
スコープ
Design That Moves You タンジェリンが実践する三層の「Move」
002
Ambience
石塚元太良
103
LEADERS
マグヌス・エレベック(マスプロダクションズ創業者)
110
Global Creators Labs
レゴデザイン
124
Sci-Tech File
生物進化ってこんなに身近なの!? 街場の雑草進化論
130
ひとつのピースから
チェリー(1946)
134
アフリカの実践者たち
マイケル・テテ・ナーテェ(ビスポークデザイナー)
140
EYES ON K-DESIGN
ジヨンキム(ファッションブランド)
164
深津貴之の「行ったり来たり」記
生成AI
170
意思決定のデザイン
心を動かすストーリーテリング/語るべき価値の設計と伝え方
174
太古のクリエイティビティ
壁と感情のデザイン ソウル・漢城百済博物館
180
詩的工学演習
エネルギー効率のフェティシズム
182
視点モノローグ
停滞
184
はじまりのはじまり
穴と 重なりと
186
クリエイターズナビ
ジャン= バティスト・アノタン、アアティズモ、金森由晃、スタジオ・オッシディアーナ、リオ・コバヤシ
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