ミラノ・コルティナ2026 冬季オリンピックでも新設される、アリーナミラノと聖火台

いよいよ2月6日に開幕が迫った第25回オリンピック冬季競技大会。「ミラノ」「コルティナ」オリンピックは、史上初2都市が開催地となっている。しかし、実は、ミラノとコルティナ・ダンペッツオ間は、同じイタリア国内でも、250キロメートルも離れている。

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そもそもこの2都市共同開催は、1956年にコルティナ・ダンペッツオでおこなわれた冬季オリンピックの既存の施設を使い、新しい建設を最小限に抑えようという発想があった。プロモーションチームが発行したニュースリリースによれば「大会が環境をつくり変えるのではなく、大会がその環境に順応しているのです」と謳われる今回のオリンピックの舞台は、スキーリゾート地として賑わうこの地域のゲレンデや、ローマ時代の円形劇場まで総動員して行われる。しかし数を減らしたのではなく、数が増えたものもある。それが聖火台だ。

ミラノの中心地、センピオーネ公園内にある凱旋門に設置される聖火台。© Fondazione Milano Cortina 2026

こちらはコルティナの方の聖火台。アンジェロ・ディボーナ広場© Fondazione Milano Cortina 2026

聖火台
ミラノは中心地のセンピオーネ公園のランドマーク、凱旋門(アルコ・デッラ・パーチェ)に、コルティナ・ダンペッツォの方はやはり街の中心であるアンジェロ・ディボーナ広場と、ふたつの聖火台がお目見えした。オリンピック・パラリンピック史上初めて、2つの異なる都市で同じ時間に点火・消火されることになっている。

マルコ・バリッチがリダ・カステッリ、パオロ・ファンティンと共同でデザインし、フィンカンティエリ社が制作。閉じたり開いたりし、閉じたときは直径3.1メートル、開くと4.5メートルになる軽量の航空用アルミニウム製だ。イタリアが産んだ天才レオナルド・ダ・ヴィンチの「レオナルドの結び目」からインスパイアされたという。

そしてもちろん2026年の新しい建造物もある。

ハイウエイ方向から見たレンダリング図のアリーナ。© Onirism Studio

アリーナミラノ
サンタ・ジュリア・アリーナ(ARENA MILANO)は、プリツカー賞を受賞した英国建築家デイヴィッド・チッパーフィールドのベルリン事務所とエンジンニア集団ARUPが設計した。アリーナの形態は古代ローマ劇場を彷彿とさせる楕円形だが、マテリアルは金属的な質感でできておりアルミニウム管と発光するLED が特徴的だ。

ファサードの表面部分。© Noshe

内部。アイスホッケー仕様では15,000人の観客を収容できる。© Noshe

地階の平面図 © David Chipperfield Architects

断面図 © David Chipperfield Architects

デイヴィッド・チッパーフィールドによれば「このアリーナの建築の形態は、ミラノの文化的遺産に根ざしていますが、現代の人々が集い、新たなエンターテイメントの場として機能していくでしょう。オリンピックで使われるだけでなく、その後都市再生プロジェクトの中心としてミラノ市の公共空間を豊かなものにするよう育っていくのを期待します」と語る。

その言葉の通り、アリーナは、ミラノの中心から南東に位置するサンタ・ジュリア地区に建設された。中心地からほど近い交通の便のよい場所であるが、かつては工業地帯だったエリアだ。ミラノ市は2034年にサンタ・ジュリアを、住宅・商業・オフィス・小売・娯楽施設を併せ持つ複合開発地区として完成させる予定。アリーナはその中心施設として計画されている。オリンピック後は、コンサートやスポーツイベントとして使用されるだけでなく、アリーナ周辺に広がる1万平方メートルに及ぶ公開空地は、屋外広場として使われる。

新しいミラノの核となるサンタ・ジュリア・アリーナは、2月5日のアイスホッケー女子、イタリアVSフランスの予選ラウンドで、幕を開ける。(文/AXIS 辻村亮子)End

サンタ・ジュリア・アリーナのメインエントランス。© Noshe