木材由来のサスティナブルなスパンコール
Elissa Brunatoが開発した「Bio Iridescent Sequin」

現在のファッション・テキスタイルの分野のなかでも、刺繍産業にはサスティナブルな素材は少なく、イノベーションの機会も少ないという。

きらきら光るビーズとスパンコールは石油由来のプラスチックや合成樹脂でできていて、使うことでマイクロプラスチックの問題につながり、大きな環境負荷をかけているという。また、消費者の側でも刺繍されたものをリサイクルするには手間がかかり、その結果、廃棄せざるをえなくなるのだ。

そこで、ロンドンを拠点に研究ベースで素材を開発するデザイナー Elissa Brunatoは、テキスタイルの循環システムの確立を目指して、石油由来でない素材の開発に取り組んでいる。

彼女がバイオテクノロジー研究として手がけた「Bio Iridescent Sequin(バイオ光沢スパンコール)」では、自然に豊富にある素材を使ってきらきらとした構造色を作り出した。

スウェーデンの研究機関 RISEの材料工学者たちと共同で、化学物質を使わずに、木材を利用して光を屈折させる構造をもつ刺繍用スパンコールを作製。木材由来の物質は、セルロースを結晶として抽出することで昆虫の翼のような美しさを作ることができるそうで、軽量かつプラスチックと同じぐらい強く、堆肥にすることも可能だそうだ。End