大分県別府市では、個展形式の芸術祭「廣川玉枝 in BEPPU」が、2021年11月20日（土）から2022年1月23日（日）まで別府市内各所およびオンラインで開催される。

「in BEPPU」は、毎年国際的に活躍する1組のアーティストを別府に招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを実現する個展形式の芸術祭。6回目となる今年は、ファッションデザイナーで伝統工芸や工業デザインなど多様な分野とのコラボレーションも手がける廣川玉枝を招聘する。

廣川はファッションを「第二の皮膚」と捉え、それを身につけた人が本来持っているエネルギーを引き出す作品を発表。その表現は人体のみにとどまらず、車や空間などさまざまなものに「装い」を施し、そのものの根源的な美しさや力強さを具象化し続けている。

▲Skin Series ATLAS,2015年
撮影: SINYA KEITA(ROLLUPstudio.)©SOMA DESIGN

▲Asura,2018年
撮影: Takeshi Fukui(SOMA DESIGN)©SOMA DESIGN

「廣川玉枝 in BEPPU」では「祭」をテーマに設定。「祭」とは、生命の循環を営む自然のエネルギーや神々、そして祖先に感謝や祈りを捧げる行為で、廣川は「祭」を人類が芸術を生み出す根源であるとし、その設えや装いを土地の風土や民族性を表象するものと捉えている。

▲The Secret Garden
©SOMA DESIGNN

そこで、今回のプロジェクトでは、廣川がデザインを手がける衣装を纏ったダンサーや市民による舞や祭を開催。さらに、会期中は別府の風土から着想を得たオリジナルの柄を用いて、町のある風景に「装い」を施す大規模なインスタレーションを実施するなど、3つの祭を軸に構成する。

▲廣川玉枝