ニュージーランドの風景とSFをモチーフにした
Batten and Kampの新作コレクション

香港を拠点とするニュージーランドのデザインアートデュオ「Batten and Kamp」は、母国の自然の風景とSFにインスパイアされた、ラウンジチェア、照明、彫刻、テーブルを含む、7つの限定版からなる新作家具コレクション「functional sculptures」を発表した。

そのイメージは、私たちが住む世界とよく似ているが微妙に異なるもうひとつの世界。そこは重力や物質、記憶などの働きがちがう場所で、その世界観を鋳造アルミニウム、曲げ合板、アクリル、デジタルプリントしたシルク、手吹きネオン、大きな岩、レーザー焼結チタンなど、異なるプロセスと材料を使用して表現している。

▲「Origin」 Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

「Origin」と「Elsewhere」は対になった2つのラウンジチェア。「Origin」は、未加工の花こう岩に黒く塗装した合板シートを取り付けている。「Elsewhere」も大きな石を使い、透明なアクリルの成形シートを手でこすって仕上げた。

彫刻作品「Longing For The Company of Trees」は不鮮明な森の記憶を表現したもので、緑のテキスタイルで拡散する筋状の光が特徴だ。これと対をなす「Longing for the Space Between Stars」は、NASAの火星探査ローバーからの画像などをコラージュし、不気味な紫色の輝きを放つ作品を作り上げている。

▲「Longing For The Company of Trees」 Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

「An Impossible Stack of Unlikely Advances Reaching Skyward」と題された彫刻作品では、インターネットで見つけた3Dファイルをチタンで3Dプリントしたものと、拾ってきた石を組み合わせた。

▲「Eden Found」 Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

彫刻のようなフロアライト「Eden Found」では、自然の枝を3Dスキャンして鋳造アルミニウムで再現。これを花こう岩の台座に固定し、そこに異世界の果実のような手作りのネオンストリップをぶら下げた。

▲「Specimen」 Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Batten and Kamp

▲Credit:Felix Wong

コーヒーテーブル「Specimen」は、ガラスの天板の下に、アルミニウム鋳造したごつごつとした枝と、カットして研磨した花こう岩を配置。この枝は、昆虫学者が昆虫を固定する標本をイメージしており、細い脚をたくさん使って宙に浮かせている。

Batten and Kampは、「このコレクションはSFにインスパイアされたものですが、私たちは過去にも未来にも、ニュージーランドにも宇宙空間にも関心があります。遠く離れた時間と場所を夢想しながらも、別の場所をこのように投影してみても、結局それは私たちの周りにある世界のことなのです」と語っている。End

▲Credit:Batten and Kamp