妹島和世が設計する「未来の工場」
パワーエックスの蓄電池組立工場「Power Base」

パワーエックスは、岡山県玉野市に日本最大級の蓄電池組立工場「Power Base」を建設することを発表した。2023年からテスト生産を行い、2024年春からEV急速充電器や定置用蓄電池などの出荷を開始する予定だ。

敷地は、本州と瀬戸内海の島々をつなぐ玄関口のひとつである宇野港からほど近い、運河に面したところにある。敷地面積は約28,272平米で、蓄電池の生産ラインをはじめ、研究開発センター、オフィススペースなども敷地内に設置されるという。

工場の設計は建築家の妹島和世が担当。玉野市は、瀬戸内海と緑あふれる山々に囲まれた港町であり、宇野港は、直島や犬島など、瀬戸内国際芸術祭の舞台となる島々へ向かうフェリーの発着場でもある。さらに、港周辺にはアート作品が多数点在するなど、港自体が芸術祭の会場のひとつにもなっている。

妹島が手がけるのは、自然と共存する最先端の「未来の工場」。工場としての機能だけでなく、周辺の自然や生態系と調和するものとし、従業員にとって快適な環境でありながら、好奇心を刺激したり、地域との交流を促進させたりすることも目指している。

敷地にある既存の建物と周囲のスケールに対応した大きな屋根により、新しい働く空間を作成。この屋根は緩やかにカーブしながら、その下に点在する大小さまざまなサイズのオフィス、研究開発センター、会議室などとつながっていく。

少しレベルの高いプレゼンテーションルームからは、瀬戸内の美しい海と島々を望むことができる。敷地にもともと建っていた建物を活かしながら、誰もが訪れたくなる「新しい働く場」になるとしている。End