「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
横浜美術館にて開催

横浜・みなとみらいにある横浜美術館は、リニューアルオープン記念展として、「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」を2025年6月28日(土)から11月3日(月・祝)まで開催する。

ピタゴラ装置(NHK「ピタゴラスイッチ」より)、画像提供:横浜美術館

[左]だんご3兄弟(NHK「おかあさんといっしょ」 より)[上]フレーミー[下]ぼてじん(上下ともにNHK「ピタゴラスイッチ」より)、画像提供:横浜美術館

[上]ポリンキーの秘密(湖池屋)[下] バザールでござーる(NEC)、ともにアドミュージアム東京所蔵

佐藤雅彦は「ピタゴラスイッチ」や「だんご3兄弟」といった教育番組から、「バザールでござーる」や「ポリンキー」などのTVコマーシャル、さらには書籍、TVゲームなどの斬新で親しみやすいコンテンツを手がけ、1990年代以降のメディア界を牽引してきた。

その創作の根幹には、「作品を作る」よりも手前の段階に位置する「作り方を作る」という思想がある。今回の展覧会では、佐藤が表現者・教育者として手がけてきたコンテンツを一堂に紹介し、その活動の軌跡をたどる。

佐藤は数々のキャラクターを生み出してきたが、実は「キャラクターが苦手」だと語る。受け手により強く訴えかけたいとき、必要に応じてキャラクターを用いてきたという。昔から絵を描くこと、文章を読むこと、音楽が苦手だった佐藤は、独自のコミュニケーションデザインの手法を確立することで、苦手なものを表現手段に変えていった。

計算の庭(桐山孝司との共作)森美術館「六本木クロッシング2007」展示風景

ballet rotoscope

さらに佐藤は、自身の創作スタイルを「新しい分かり方の供給」と表現する。「計算の庭」や「指紋の池」といったインタラクティブアートは、体験者に新たな感覚や気づきをもたらす。「Eテレ0655/2355」で行った、朝晩の5分間で日本のリズムをつくり出す試みも、既存のメディアの特性を生かして、人々の行動や思考に変化を与えることを意図したものだ。

解きたくなる数学(岩波書店) 、経済ってそういうことだったのか会議(竹中平蔵との共著/日本経済新聞社)

慶應義塾大学佐藤雅彦研究室では「ピタゴラスイッチ」を立ち上げ、「教育」と「創造」が一体になった活動も展開した。同展では、佐藤が築いてきたものごとの新しい「作り方」や「分かり方」を知るまたとない機会となるだろう。End

イデアの工場(DNP大日本印刷)

I.Q Intelligent Qube(SIE・プレイステーション用ソフト)

横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)

会期
2025年6月28日(土)〜11月3日(月・祝)
開館時間
10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日
木曜日
会場
横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
詳細
https://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko/

公式図録「作り方を作る」

発売日
2025年6月28日(土)
※横浜美術館ミュージアムショップ「MYNATE(ミナト)」にて販売予定。
内容
40年にわたる創作活動について、佐藤雅彦自身が書き下ろし、幅広い活動の全容をつたえる初めての一冊。
価格
定価2,970 円(税込)
発行元
左右社
仕様
B5判変形/並製/288ページ
詳細
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284751