NEWS | プロダクト
12時間前
「FOUSKA」
インダストリアルデザイナー 柳澤郷司が率いるデザインスタジオ Triple Bottom Lineは、デンマーク・コペンハーゲンで2025年6月18日(水)から6月20日(金)まで開催されるデザインの祭典「3daysofdesign 2025」において、吊り下げ照明「FOUSKA(フースカ)」と卓上照明「SKIA(スキア)」を発表した。
Triple Bottom Lineは、2014年より活動を開始し、AIを活用したジェネレーティブデザインを中心にプロダクト設計を手がけている。近年はオートデスクとともに、ジェネレーティブデザインの普及にも尽力している。
「FOUSKA」
「FOUSKA」の最大の特徴は、シェードに精巧に施された無数のラインだ。一見すると工業生産的な精密さで仕上げられているが、その規則正しさのなかに「手仕事ならではの揺らぎ」をデザイン要素として組み込んでいる。
制作にあたっては、2024年に発表した照明「POTIT(ポチ)」のために開発した織物テクスチャー技術をさらに進化させ、これまでは難しかった高密度かつ緻密な造形を実現。職人の手仕事のような微細な差異が織りなす光と影の表現を、デジタル技術を駆使してつくり出した。
テクスチャーは、編み物のように蛇行するパスで構成されるものと、シンプルなスパイラル構造の二種類を用意。素材には70%リサイクル材を使用したPET樹脂を採用し、環境配慮と製品性能の両立を目指した。
「FOUSKA」
Images Photo by Yusuke Nishibe
一方、「SKIA」は、卓上照明「VISCUM(ヴィスクム)」の構造を発展させた作品である。本体のシルエットは、VISCUMの静謐な佇まいを継承しながら、細部には大胆なアレンジを施した。
素材には、建築現場から出る廃材を原料とした再生モルタル(漆喰)を使用。筐体の芯材構造を見直すことで軽量化を図ると同時に、従来は定着が困難だった漆喰材を活用している。
「SKIA」
さらに、反射板を1割ほど縮小し、支柱とボディを一体型から分割型へと変更することで、卓上照明からフロアライトまで多様なシーンに対応。また、LEDの格納部分の支柱直径を5mm拡大することで、冷却性能の向上と光源寿命の延長を図っている。
SKIAの礎となったVISCUMは、視覚的に“光”の最小単位を追求したプロダクト。“光”を形取るうえで装飾に頼るのではなく、空間に溶け込むことが目指した。単一素材で、内部部品を最小限の構成とし、本来の意味での持続可能性を実現している。
Triple Bottom Line exhibition in 3daysofdesign 2025
- 会期
- 2025年6月18日(水)~6月20日(金)
- 会場
- Vognmagergade 5, Parking Lot, 1120 / Rosengård / 3daysofdesign
- 詳細
- https://www.3daysofdesign.dk/exhibition/triple-bottom-line