AIで設計期間を短縮した
Triple Bottom Lineの水上太陽光フロート機構

プロダクト設計を手がけるデザインスタジオ Triple Bottom Lineは、再生可能エネルギー事業を推進する国内企業からの委託を受け企画設計した、水上太陽光発電に用いられる水上太陽光フロート機構を公開した。

湖や貯水池といった水上スペースは、日照を遮る障害物が少ないうえ、冷却効果で陸上に太陽光発電パネルを設置するよりも高い発電量が期待できるという。

▲太陽光発電パネルを搭載した水上太陽光フロート

▲ジェネレーティブデザインによる新規設計・検討・解析の画面サンプル

ただし、屋外で長時間使用されることが想定されるため、通例であれば事前に複数の試作模型を用いて実体試験を行う必要がある。その場合、設計期間は2年以上かかる想定になるそうだ。

そこで、今回はAI・機械学習を用いたデザイン手法「ジェネレーティブデザイン」を採用。約5ヶ月という短期間かつプロジェクトメンバー5名(デザイナー2名、解析エンジニア1名、検査品質管理2名)での設計を実現した。

▲水上太陽光フロート単体(横面)

▲水上太陽光フロート単体(表面・裏面)

また、新型フロートは市場品に比べ構造強度を2倍に設定し、メインフロートの構造を「三胴船」構造とした。この機構により、水上の動揺を抑制して安定した発電が可能となる。さらに、空気室を3つに分けたことで、中空構造である内部に浸水が発生しても載荷した太陽光パネルの水没を防ぐことができ、水上太陽光で求められる長期運用の安定性が向上したとしている。End