人口1,000人の村 徳島・木頭に誕生した
地域の暮らしを支える「未来コンビニ」

高知との県境に近い徳島県那賀町木頭地区の山間地に、人口千人の村に初のコンビニ「「未来コンビニ」がオープンした。Kito Design Holdingsが過疎化と高齢化が進むこの地の人々の利便性向上のために企画し、2020年4月にオープンしたコンビニである。

これまでは生活必需品を購入するために、最寄りのコンビニまで車で約1時間かかっていたという。そこで、「未来コンビニ」では、この地の「未来を担う子供たちのため」という想いを込め、子供たちが自然と集まり、未来への希望と刺激を感じ、情熱を養う場所となることを目指している。

陳列棚も子供目線で商品を手に取りやすいように、通常のコンビニよりも低くデザイン。木頭ゆずソフトクリームが食べられるカフェやイートインスペース、過疎地では手に入りにくいものを取りそろえた本棚など、子供のための要素が盛りこまれている。

また、地域の暮らしを支えつつ、特産物のラインナップも取り揃えることで、遠方からの観光客も楽しめる交流の場としての役割も果たしているそうだ。

クリエティブディレクションは鵜野澤啓祐が、建築・インテリアデザインをコクヨおよびGENが担当。建物の周りには、地面の乾燥や雑草・太陽光の反射・泥はねの防止等のため、やがて土に還ることのできる樹皮チップが敷き詰められており、店内の陳列棚はすべて木製で木頭の大自然を思わせる温かみを感じる設計とした。

さらに、「Y」字の柱は柚子の木をイメージしたそうだ。ファザードに飾るデジタルクロックは今と未来を繋ぐ「時」を示す。木頭ゆずをイメージしたイエローのテーマカラーとモダンなグレーの色合いが美しいデザインとなっている。End