横須賀美術館（2007）

神奈川県横須賀市の横須賀美術館では、2024年プリツカー賞を受賞した建築家の設計思想をひもとく展覧会「山本理顕展－コミュニティーと建築－」が2025年7月19日（土）から11月3日（月・祝）まで開催される。

建築におけるパブリックとプライベートの境界を「閾（しきい）」と名付け、地域社会とのつながりを生む空間を手がけてきた山本理顕。その思想を体現した建築は、そこに住む人々だけでなく、周辺のコミュニティー全体を豊かにするものとして、国際的に評価を得ている。

今回の展覧会では、代表作のひとつである横須賀美術館を会場に、山本の50年にわたる設計活動を紹介。およそ60点の模型や図面、スケッチ、ドローイングを通して、同氏の設計思想の全体像に迫る過去最大規模の回顧展となる。

埼玉県立大学（1999） © 山本理顕設計工場

名古屋造形大学（2020） © 山本理顕設計工場

The Circle at Zurich Airport （2020） © Flughafen Zürich AG

会場となる横須賀美術館は、山本の代表作のひとつであり、同氏がはじめて設計を手がけた美術館建築でもある。周囲の景観に溶け込むような外観をはじめ、壁や天井などに設けられた多数の窓は、自然や他者の活動に意識を向けさせようとする、山本の設計思想を表現したものだ。同展では、館内でもっとも特徴的な地下階の展示ギャラリーを使用。建築家自身による空間構成を体験することができる。

©Tom Welsh for The Hyatt Foundation Pritzker Architecture Prize