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13時間前
企業を取り巻くグローバルな経営環境が激変するなか、組織の成長エンジンとしてインハウスデザインが幾度目かの脚光を浴びている。その現状と背景について、社内外のデザイナーが語った。30年以上にわたり日立製作所でデザイン畑を歩み、武蔵野美術大学で教鞭もとる丸山幸伸。P&Gやソニーを経て、現在は社外からデザイン経営推進で伴走する戦略デザイナーの佐宗邦威。インハウスデザイナーに期待される役割とは何か、ふたりが迫る。
Illustration by Marie Watanabe
生き残るためデザインの枠を広げた
インハウスのデザイナーほど、社内外の変化がダイレクトに反映される職能もそう多くない。ときにエンジニアやR&D部門とプロジェクトで協働し、突然DXの旗振り役となり、不運にも部門が解体される憂き目にもあう。よく言えば「臨機応変」だが、経営のさまざまな事情に翻弄されやすい。それは、デザインの役割が変化し続ける証しでもある。
地政学リスクの影響を受けるサプライチェーン、過去に類を見ない関税政策、止まるところを知らないAIの進化……不透明な未来に向けて企業の経営環境が目まぐるしく変わるなか、インハウスの未来を占うべく、これまでの変遷を辿りたい。