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16時間前
IBMのデザインと言えばリヒャルト・ザッパーが基本デザインを手がけたThinkPad(現在はレノボ社の製品ブランド)などを真っ先に思い浮かべる人が多いかも知れない。だが、そこからさかのぼること1966年、IBMの2代目社長トーマス・ワトソン・ジュニアが社員に向けて「良いデザインは良いビジネスになる(Good Design is Good Business)」と訴えたときから、実はIBMは社会や企業の課題をデザインで解決することこそがビジネスの本質だったのかもしれない。ThinkPadの初期リリース当時、デザインにも関わり、現在はコンサルティング事業本部のIBM iX(インタラクティブ・エクスペリエンス)で技術理事(ディスティングイッシュド・デザイナー)を務める柴田英喜にIBMにおけるデザインの役割について聞いた。
ポール・ランドがデザインした遊び心のあるロゴは、2024年虎ノ門本社にオープンしたIBM Innovation Studioの壁にも使われている。多くのクリエイターと関わってきたIBM。エリオット・ノイスからブランドを性格と捉えることの重要性を、ポール・ランドからは実験の無限大の重要性を、そしてチャールズ&レイ・イームズからは遊び心の大事さを教えられたと柴田は言う。
顧客の元へ出向くインハウスデザイナー
今日のIBMの事業は戦略立案からシステム構築・運用まで、顧客のビジネス変革を推進する「コンサルティング」、IBM製品を通じた課題解決の開発・実装を行う「テクノロジー」、イノベーションの源泉となる先端技術基礎研究を行う「リサーチ」の3つの柱からなる。
このうち、柴田英喜が率いるデザインチームが活躍するのが「コンサルティング」の領域で、デザイン主導のアプローチによって顧客体験の変革を顧客と共創し、人間中心のアプローチでビジネスをデザイン、顧客のイノベーションと変革を加速させるのがIBM iXである。