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2025.08.27 12:00
「The Huaiyang Fuxi Cultural Park(淮陽伏羲文化公园)」全景。Photos by Turenscape
中国河南省周口市淮陽(わいよう)は、黄河文明にまで遡る古い歴史をもつ都市である。古代の中国神話に登場する伝説上の帝王・伏羲(ふっき・ふくぎ)がこの地に都を置いたとされ、龍湖という大きな湖に囲まれている。この人物の名前を冠した都市庭園「The Huaiyang Fuxi Cultural Park(淮陽伏羲文化公园)」が、このほど淮陽に誕生した。
「The Huaiyang Fuxi Cultural Park」マップ
伏羲には大洪水を生き延び、人類の始祖となったという神話が残されているほど、淮陽は水が豊かな場所である。しかし近年は都市化により、洪水を回避するための湖の貯水能力が衰え、地域の文化遺産も損なわれつつある。こうした状況に対応すべく、冠水耐性を高めつつ、豊かな歴史を称え、地域社会のニーズにも応える43ヘクタールの公共公園が構想された。
ランドスケープデザインは、北京に拠点を置くTurenscapeが担当。プロジェクトの基盤となったのは、保水機能に優れた「スポンジシティ」の創出である。新たな土地の造成により、洪水に強い植生で覆われ、100万立方メートルの雨水を管理できる、無数の「島」からなる景観が生み出された。
Children’s Playground
Stage
Pavilion
Sports Field
公園のデザインは、古代中国の星図や、伏羲が作ったとされる「八卦(はっけ)」からインスピレーションを得るなど、整然とした美しさが特徴である。クレーター状になった緑豊かな島々には、公園、円形劇場、バスケットボールコート、穏やかな水辺、噴水、インスタレーションアートなど、多彩なテーマのプログラムやアクティビティを用意。冬はスキーやアイススケートが楽しめるアリーナに変貌する。
各エリア(島々)を結ぶ通路。
また、湖や都市から流出する水に対処するため、バイオ水処理システムを導入。排水を人工湿地で浄化して湖に還流する。浄水経路は島々とこれらを結ぶ遊歩道に統合されており、1日あたり約11,500トンの水を処理する。建物の屋上に設置された太陽パネルから浄化システムに必要な電力を得るなど、歴史ある文化を守るための環境への配慮にもこだわっている。