NEWS | 展覧会
2025.09.30 15:58
松屋銀座の開店100周年を記念する特別企画の一環として、戦後の日本デザイン界を牽引したデザイナーや建築家、評論家らによって設立され、松屋銀座を拠点にデザインを啓蒙する日本デザインコミッティーによる約6年ぶりの企画展「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」が2025年10月13日(月・祝)まで、松屋銀座8階イベントスクエアで開催中。
本展のテーマは「包む(Tsu-tsu-mu)」。単なる包装技術やパッケージデザインの紹介にとどまらず、卵、おにぎりなどの食品や日常の風景、伝統的な折形、現代プロダクト、建築まで、さまざまな事象に潜む「包む」という概念を多角的に問い直す。
会場イメージ
本展では設定された7つのテーマによる約90点の作品・事例を通じ、「包む」ことの本質と新たな可能性を探る。会場構成・アートディレクションは、グラフィックデザイナーで日本デザインコミッティーメンバーでもある色部義昭が手がけている。
出品作のひとつである隈 研吾による浮遊茶室「浮庵」は、ヘリウムガスを用いて空中に浮かび、布のドレープが「包む」感覚を空間で表現する作品。建築と包む行為の交差点に立つ、詩的で軽やかな試みだ。
「浮庵」©Kengo Kuma& Associates
開催期間中にオープンする小泉 誠が空間設計を担当したオフィシャルブックカフェ「Tsu-tsu-mu Café by OGAKI BOOKSTORE」では、マルニ木工の椅子や能作、菅原工芸硝子の器などが並ぶ。また「包む」をテーマにした塩川いづみ監修のどら焼き(焼印入り)も販売され、「包む」というテーマが五感にわたって体験できる場となる。さらに、期間中には、折形デザイン研究所によるワークショップも開催。「包む」技法や歴史、折形の思想に触れながら、実際に書籍の包み方を学ぶ機会も設けられる。
本展が問いかけるのは、対象をやさしく守る「包む」という単純な行為の裏にあるケアの視点であり、内外をつなぐ思考と関係性だ。展示を巡りながら、自分なりの「包む」行為を考えてみてはいかがだろう。
「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」
- 会期
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2025年9月26日(金)~10月13日(祝・月) 11:00~20:00
*最終日は17:00閉場・入場は閉場の30分前まで
*営業日・営業時間の詳細は松屋ウェブサイトを確認 - 会場
- 松屋銀座8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)
- 入場料
- 一般 2,000 円(1,800 円)、高校生 1,500 円(1,300 円)、小中学生 1,000 円(800 円)税込
*()内は前売り料金 - 詳細
- https://designcommittee.jp/event/2025/08/tsutsumu_ten-html.html