NEWS | サウンド / 工芸
1時間前

映像インスタレーション「Wave Weave」
京都・中京区のHOSOO GALLERYでは、2025年11月13日(木)から2026年3月8日(日)まで、「WAVE WEAVE ― 音と織物の融合」を開催している。アーティストであり電子音楽家として国際的に活躍するカールステン・ニコライによる新作インスタレーション「WAVE WEAVE」を発表するものだ。会場では、映像インスタレーション「Wave Weave」と、サウンドと織物を組み合わせた「Sono Obi Landscape」の2つの新作が、世界初公開となる。
ニコライは音響作品の周波数を視覚化する「スペクトログラム」を創作の基盤に据え、電子音楽を視覚芸術へ翻訳する手法で知られるアーティストだ。旧東ドイツの織物産業の地で育った彼にとって「織物」は長年探究しつづけてきたテーマであり、1,000点以上の紋意匠図を収集してきたという。今回のプロジェクトは、300年以上にわたり西陣織を革新してきたHOSOOとの協働によって、音と素材、伝統とテクノロジーが重なり合う表現へと結実した。

映像インスタレーション「Wave Weave」
「Wave Weave」は、HOSOOの織物工房を撮影した22分の映像インスタレーションで、織機の動作や糸の交差が電子音響と同期しながら映し出される。織物が生まれるプロセスが抽象化され、構造やリズムといった織の本質がオーディオビジュアルとして描き出されている。

サウンド×絹織物「Sono Obi Landscape」
一方の「Sono Obi Landscape」は、電子音楽をソノグラム化したデータをもとに織り上げられた幅31cm、長さ440cmの長大な絹織物で、可視化された音を帯のように織り込むだけでなく、織物から再び音へ変換することも可能だという。アナログな素材が音の情報を宿すという発想は、デジタル以前と以後を架橋するニコライらしい実験的アプローチだ。
ニコライは今回の制作について「HOSOOの伝統技術が新しい発想を引き出し、音や知覚といった非物質的な構造を触れるかたちに翻訳できた」と語る。音を素材とし、時間を縦横に編み込むような彼の表現は、織という営みの深層にある構造性を照らしながら、工芸の未来に向けた新たな視点を提示している。![]()
WAVE WEAVE ― 音と織物の融合
- 会期
- 2025年11月13日(木)~2026年3月8日(日)
- 会場
- HOSOO GALLERY
(京都市中京区柿本町412 HOSOO FLAGSHIP STORE 2F) - 詳細
- https://www.hosoogallery.jp/












