菊竹清訓の旧駿河銀行をリノベーション
富士吉田の宿泊施設「SARUYA KIKU」に続いて

Photos by Shuhei Yoshida(すべての写真)

山梨県富士吉田市で「SARUYA HOSTEL」を運営するDOSOは、同社3棟目となる宿泊施設「SARUYA KIKU(サルヤ キク)」を2024年4月にオープンした。建物は、1960年代に起こった建築家による運動「メタボリズム」を代表する菊竹清訓の設計により、1967年に竣工した旧駿河銀行。1990年代以降は長く空き家となっていたが、2022年に1階にカフェを開業したことをきっかけに、街に開かれた場所として再生が進められてきた。

富士吉田に1000年以上続く機織り産業。シーツやカーテンは、地元の職人が特別に織り上げたもの。

1階の「FabCafe Fuji」。

客室は1日2組限定で、広さは各56㎡。必要以上のものは置かず、余白を大切にした設えで、大きな窓からは富士吉田の街並みと山々を望み、屋上テラスでは富士山を一望できる。館内の家具や備品には、地域の空き家や廃業した製材所から引き取った道具や材木、地元の機屋に特別に依頼した織物などが用いられている。

廃業する近所の製材所から譲り受けた一枚板で製作したオリジナルテーブル。

1階には同社運営のカフェ「FabCafe Fuji」を併設し、地域の食材を使った食事を提供する。建物は市内で開催される布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK」の会場としても活用されている。

山梨県富士吉田市で開催されている、国内唯一の布の芸術祭「FUJI TEXTILE WEEK」。

4軒目となる宿泊施設も2026年夏に開業予定だ。旧歯科医院をリノベーションした3フロア構成で、1階にリソグラフスタジオを設け、2階以上にワーケーションやアート制作など中長期滞在に対応する客室や共用スペースを備える。SARUYAならではの視点を備えた「街とつながる滞在体験」を提供する予定だ。End