光を湛える照明   
田村奈穂、WonderGlassと協働した新作「FLUID」を発表

Photo by Studio Visus

デザイナーの田村奈穂は、イタリア・ヴェネチアの照明ブランドWonderGlassと協働で制作してきた「Moment Series」の4作目「FLUID(フルイド)」を発表した。光が液体を通る際に生じる揺らぎや奥行きをとどめたようなペンダントライトである。

Photo by Studio Visus

東京とニューヨークを拠点に活動する田村は2013年、常に動き続ける水という存在を通して時間のあり方を探る「Moment Series」をスタートさせた。田村にとって、「水とガラスは同じ生命(いのち)を持つ素材」だという。

これまでに、FLOWTで遠くの景色を映し出す水面の「広がり」を、MOMENTOで重力に逆らえず滴り落ちる一瞬の「刹那」を、CASCADEによって絶え間なく脈動し続ける「流動」を表現してきた。FLUIDでは、静かに光を湛えて留まる「滞留」がテーマだという。

Photo by Davide Calafa

Photo by Studio Visus

FLUIDについて、田村は「光は本来、留まることのない一瞬の連続です。けれど、液体に通すことで、光はそこに留まり、重なり、やわらかくその場に広がります」と説明。流れゆく時間のなかに静かな「重み」を置くような照明だという。

FLOWTのように展示空間にインスタレーションされ、光を湛えたFLUIDを早く見てみたい。そう思うのはわれわれだけではないはずだ。End