A New Era of Industrial Design<br/>インダストリアルデザイン新時代

特集

A New Era of Industrial Design
インダストリアルデザイン新時代

モノやコトと人、さらにそれを支える社会や産業との関係をインテグレートする—。
ハードウェア製品に形を与える設計作業と見なされがちなインダストリアルデザインをこのように定義してみると、その役割や可能性は自ずと広がって見えてくるだろう。より環境にやさしく、より包摂性が大きく、より持続可能なかたちで社会や産業の発展に寄与するだけでなく、リアルとデジタル空間を横断し、今までにないユーザー体験を提供する。そんな新たな命題と向き合うことも求められるインダストリアルデザインの行方に迫る。

Vol.2182022年07月01日 発売
定価:1,800円
表紙:Honda eVTOL 表紙写真:青木倫紀

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018

時間や空間の制限に縛られない未来の移動
本田技術研究所

 私たちは、クルマやバイク、バスに列車など、地上を移動する選択肢を豊富にもっている。ただ、数が多すぎるために渋滞や事故が起き、安全や環境を脅かしている側面もある。そこで上を見上げてみよう、ほとんど手つかずの空が広がっているではないか。

時間や空間の制限に縛られない未来の移動<br/>本田技術研究所

021

物流業界の課題を解決する協調搬送ロボット
NEC

 NECの新規事業のひとつとして進められている協調搬送ロボットの開発。同社が日々開発を進める要素技術を起点にした社会課題の解決に取り組みたいと、技術者、事業開発者、デザイナーの3者が集まり、2017年にプロジェクトがスタートした。

物流業界の課題を解決する協調搬送ロボット<br/>NEC

024

医療現場の働き方改革に貢献する搬送ロボットシステム
三菱電機

 三菱電機は、同社グループが遠隔操作ロボット開発で培った技術を民間向けに応用し、医療現場や、将来の商業施設などでの利用も視野に入れた多用途搬送ロボットサービスシステム「メルディ」を開発した。

医療現場の働き方改革に貢献する搬送ロボットシステム<br/>三菱電機

027

これからのIT社会を育む子どものための教育ロボット
アイロボット

 掃除ロボットのルンバで知られるアイロボットは、幼少期からロボット好きだったコリン・アングルCEOが恩師や仲間と創業し、クリエイティブなスタッフたちが加わって発展してきた。

これからのIT社会を育む子どものための教育ロボット<br/>アイロボット

028

スローモビリティで変わる、人と道路の関係
ヤマハ発動機

 もしクルマの最高時速を20kmにしたら、街はどう変わるだろうか。道路は渋滞するが、重大事故は減るだろう。人間と乗り物の速度が近づくことで、両者のあいだに新しいコミュニケーションが生まれるかもしれない。

スローモビリティで変わる、人と道路の関係<br/>ヤマハ発動機

030

モビリティを“ネットゼロ”に導くデバイスソリューション
タイヤコレクティブ

 ゴムタイヤを履くすべての車輌は、路面との摩耗によって削れた微細なゴムの破片を常に排出しながら走行している。モビリティが生み出す、排気ガスとは別種のこの環境汚染に対し、解決策を提示するのが「タイヤ・コレクティブ」だ。

モビリティを“ネットゼロ”に導くデバイスソリューション<br/>タイヤコレクティブ

032

移動と居住の「シームレス化」がもたらすもの
旭化成

 完全自動運転が実現し、ほぼすべてのクルマに実装された社会。そこでは、「モビリティ」と「リビング」が等しくなっ
ていく— 。旭化成の新たなコンセプトカー「AKXY2(アクシーツー)」を手がけたデザイナーの石丸竜平は、大手カーメーカーが提示するビジョンとは異なるモビリティの未来像を描く。

移動と居住の「シームレス化」がもたらすもの<br/>旭化成

034

世界のデザイン振興機関が見る、新時代のインダストリアルデザインとは。
オーストラリアン・グッドデザイン賞、 iFデザインアワード

優れたデザインを選定する表彰制度にも、インダストリアルデザインを取り巻く変化の波が押し寄せている。
オーストラリアとドイツのアワード主催機関に、イノベーションと産業化を結び付けているデザインの新たな動向について聞いた。

世界のデザイン振興機関が見る、新時代のインダストリアルデザインとは。<br/>オーストラリアン・グッドデザイン賞、 iFデザインアワード

036

インダストリアルデザインから、より良い未来を創造しよう
サー・ジェームズ・ダイソンに聞く

ダイソン社の創業者であり、現在もチーフ・エンジニアとして、英国マルムズベリーで研究開発を行うサー・ジェームズ・ダイソン。彼は、昨年秋「Invention: A Life」 (日本語版「インベンション 僕は未来を創意する」)を出版した。数々のビジネスでの失敗を赤裸々に綴った半自叙伝ともいうべき著書を通じて、ものづくりに励む若者や起業家たちに、エンジニアリングを通して世界を共に改善していこうと呼びかける。

インダストリアルデザインから、より良い未来を創造しよう<br/>サー・ジェームズ・ダイソンに聞く

042

行動や意識の変化を促すパッケージデザインの新機能
ソニーグループ

 ソニーグループのクリエイティブセンターが牽引した、「オリジナルブレンドマテリアル」開発プロジェクト。

行動や意識の変化を促すパッケージデザインの新機能<br/>ソニーグループ

044

デジタル体験に革命を起こす3D触力覚技術
村田製作所

 引っぱられる、押されるなどの「力感」、ものを触ったときの堅い、柔らかいなどの「圧力感」、ざらざらしているなどの
「表面材質感」。これら3つを、デバイスにより特殊な振動刺激で感じることができる3D 触力覚技術(3DHaptics)を、ゲームなどに応用する製品・サービス提供が進みつつある。

デジタル体験に革命を起こす3D触力覚技術<br/>村田製作所

046

光触媒環境衛生ソリューションのブランドデザイン
シャープ

 光触媒は、塗布や噴霧した部分に光が当たると高い酸化力が生まれ、抗菌や抗ウイルス、消臭、防汚、防カビといった衛生効果が得られる物質だ。特にシャープが開発した可視光応答型光触媒は、素材に酸化タングステンとプラチナを採用しているため、太陽光に限らずLEDや蛍光灯など屋内照明が当たることでも高い効果が発揮される。

光触媒環境衛生ソリューションのブランドデザイン<br/>シャープ

048

スマートフォンと共生する音楽インターフェースの研究
ヤマハ

 既存の製品デザインだけでなく、新しい音楽インターフェースの研究にも取り組むヤマハデザイン研究所。「Stepping Out of the Slate」プロジェクトでは、プロトタイプを通じて「新しい音楽の始め方」を提案している。

スマートフォンと共生する音楽インターフェースの研究<br/>ヤマハ

050

プラネットセンタードで考える次世代太陽電池
東芝

 世界各国で、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みが進んでいる。今年5月、欧州連合は、ウクライナ危機の影響を受け、太陽光・風力・地熱・水力・水素・バイオマスなどを活用する再生可能エネルギーの大規模普及を目指し、2030年には発電量比率を約45%に引き上げることを提案した。

プラネットセンタードで考える次世代太陽電池<br/>東芝

053

ゼロエミッション・エネルギーで航行する、世界初の完全電気推進タンカー
旭タンカー

 バッテリーと電気モーターの力で走る「世界初のゼロエミッション電気推進タンカー」を日本の企業が建造した。もともと石油製品を運ぶためのタンカーを電動化するとは、なんともシュールな話ではないか。

ゼロエミッション・エネルギーで航行する、世界初の完全電気推進タンカー<br/>旭タンカー

056

Web3時代のコミュニティプラットフォーム
パナソニック

 パナソニックのデザイン本部には、ビジネス、テクノロジー、クリエイティブなど多様な人材を集めた混成チーム、「FLUX(フラックス)」がある。「Future Life UX」を掲げるこの組織は、京都や東京、ロンドンに加え、2022年4月にニューヨーク拠点を新設した。昨年8月に単身渡米し拠点を立ち上げたのは、デザイナーの今枝侑哉だ。

Web3時代のコミュニティプラットフォーム<br/>パナソニック

058

メタバース空間の「協奏」が生み出す真のユニバーサルプロダクト
ワンセック

 インダストリアルデザインはその言葉が誕生した20世紀初頭から一貫して、工業的な大量生産を前提とした「モノ」の形を描き、生み出してきた。

メタバース空間の「協奏」が生み出す真のユニバーサルプロダクト<br/>ワンセック

060

未来を回復する産業のリデザイン
太刀川英輔

デザインストラテジストで日本インダストリアルデザイン協会理事長も務める太刀川英輔。
近著「進化思考」で、生物の進化のように多くの間違い(変異)を量産し、そこから本質的な手法で適合を繰り返すことの重要性を唱えた。そんなデザイン界きっての論客に、有形・無形を問わず産業との新たな関係性を見据えたインダストリアルデザインの進化について、考えを寄せてもらった。

未来を回復する産業のリデザイン<br/>太刀川英輔

006

Close-Up

ナイキISPAリンク

071

LEADERS

四代田辺竹雲斎(竹工芸家)

074

Sci Tech File

窒素循環からみんなで共に考える、私たちの未来のありうべき環境

080

田川欣哉のBTCトークジャム

ゲスト:濱渦伸次(NOT A HOTEL代表取締役)

087

Feature 2

人工物と自然の境界に挑む。
本多沙映/we+/辰野しずか

100

Insight

当たり前を問い直す、ボストン市のMONUM( ニュー・アーバンメカニクス)という取り組み

106

Insight

ミ ラノに展開する食の哲学 アンナ・メローニ博士に聞く

112

TAKT PROJECTの東北考

俯瞰の解像度

116

& DESIGN

フード(君島佐和子)、インテリア(土田貴宏)、ビジネス(長谷川敦士)、アート(太田睦子)

121

クリエイターズナビ

郭吉勇、谷口勝也、ピエロ・ドリ、辻尾一平、KOMPAS

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