ギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)にて、マックス・フーバーの展覧会が開催中。
6月29日(月)まで

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現在、都内で2つのマック・フーバー企画展が開催されている。その1つ、銀座gggの「Max Huber - a graphic designer」展へ行った。

間違いなく、20世紀のグラフィックデザインを牽引したひとりだろう。あでやかな色重ねの手法や、ユーモアを感じさせる即興的なコラージュなど。今日、「前衛」という言葉はいささか古めかしい表現とされるが、フーバーの作品を見ていると、この呼び名が強い輝きを放っていた、そんな時代に対する憧れのようなものが沸々とわいてくる。
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その仕事には、グラフィック領域に止まらず、見本市や美術館会場のインスタレーションといった、空間的スケールのものも少なくない。カスティリオーニ兄弟とのコラボレーションによるミラノ・トリエンナーレの展示空間などは、建築家にも多くの刺激を与えたといわれている。

会場では、安藤忠雄や中村好文といった人たちが、そんなフーバーの仕事に対して寄せたコメントも紹介されている。

安藤忠雄のコメント(一部抜粋)
「フーバーは憧れのスターの存在だった。真の意味でデザインが前衛たりえていた、時代の空気をなつかしく思い出す」

会場地下の奥のスペースでは、イタリアのラジオ放送がBGMとして流されていた。そこからかすかに聴こえてくるのは、フーバーが好んだというジャズの楽曲。もう1つの企画展「Max Huber - Jazz Time+」展(青山のギャラリー5610、6月29日まで)へと繋がっていく、うまい演出だと思った。

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