新刊案内
『地場産業+デザイン』『デザイン学 思索のコンステレーション』『社長とランチ』


『地場産業+デザイン』
 喜多俊之 著(学芸出版社 1,860円)

どんなに規模が小さい地場産業であっても、卓越した技術力があれば、そこにデザインが関わることで、昨今の低価格競争などに負けない、世界に認められるオリジナル製品を生み出すことができる。40年間にわたって地場産業の再生に取り組んできた工業デザイナー、喜多俊之が、6つの事例を通して、デザインからプロモーションまでいかに地場産業に関わっていくかを語る。

6つの事例は次のとおり。
●岐阜県美濃の和紙
●石川家輪島の漆器
●福井県鯖江の眼鏡と時計
●新潟県燕のカトラリー
●神奈川県小田原の寄木細工
●佐賀県有田の磁器

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『デザイン学 思索のコンステレーション』
 向井周太郎 著(武蔵野美術大学出版局 3,150円)

「デザインとは専門のないデザインである」という見解を繰り返してきた著者が、デザインが対象とする具体的な世界を、生命原理と深くつながったものとして見渡し、思索を重ねていく。アブダクション、バウハウス、コスモロジーなど、デザインに関する言葉が星座(コンステレーション)のように散りばめられ、その言葉との出会いや意味世界を探っていくなかで、やがてそれぞれがつながっていく。「あるべき生活世界の形成はいかにして可能か?」を問う、デザイン哲学の集大成。

以下、目次より。

● アブダクション 生成の原理へ、制作の地層へ
● コスモロジーとしてのバウハウス
● マイナス方向への遡行と生成
● 世界の生成プロセスとしての身振り
● 相互作用 呼びあい、触れあい、響きあいの生成
● メタモルフォーゼと生命リズム
● 均衡関係がもらたす新たな造形
● リズムの構造・構造のリズム
● 生命の原像へ、生成の原記憶へ
● 原像とメタモルフォーゼ
● 生活世界の「質」と工作連盟運動
● 二十一世紀のあるべき生活世界の道
● あるべき生活世界の形成 真の価値と富とはなにか

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『社長とランチ』
 川島蓉子 著(ポプラ社 1,680円)

サブタイトルは「なぜこの会社は人の心を惹き付けるのか」。時代が大きな転換期にある今、改めて、社長のリーダーシップ、存在意義が大きく問われているのではないか。そんな思いのもと、今をとらえ新しいスタイルを追求する企業8社、8人の社長を訪れ、現在に至る企業組織の変化や、社長それぞれの人となりに迫る。巻末には著者とクリエイティブディレクター、永井一史との対談を掲載。

登場する社長は次の8人。

●アイスタイル 山田メユミ
●ジョージズファニチュア 横川正紀え
●アッシュ・ペー・フランス 横松孝尚
●曙 銀座あけぼの 細野佳代
●キュリオシティ グエナエル・ニコラ
●パーク・コーポレーション 井上英明
●ポーラ・オルビスホールディングス 鈴木郷史
●トーヨーキッチン&リビング 渡辺孝雄