ソニー発
モノリシックデザインのアーキタイプがミラノサローネに登場

1月のInternational CES(Consumer Electronics Show)において、ソニーが発表したモノリシックデザイン。ソニーのこれからのホームプロダクツの方向性を指し示す新たなデザインコンセプトとして話題を呼んでいますが、その語源である「monolith」(一枚の板)のごとく、余計なエレメントを排し、プリミティブでありながら、モノの本質を追求し、空間全体を変えていく、凛とした「立ち姿」を目指すというもの。

「人のやらないことをやる」「つねに一歩先んじる」という創業当初からの企業理念より発した、「原型をつくる」「ライフスタイルをつくる」「機能美をつくる」「使いやすさをつくる」というソニーのデザインフィロソフィー。それらへ回帰し、さらに未来に向けて昇華したデザインコンセプトといってもいいでしょう。

そのモノリシックデザインのコンセプトを咀嚼し、「光」「音」「映像」といった要素を融合させたアーキタイプ(原型)ともいえる“実験的空間”が、4月のミラノサローネで登場。「モノリシックデザインとは何か? ソニーによるこれからのホームプロダクツのあり方とは?」とともに、生活空間での新しい体験のあり方が提案されます。

会場デザインには、現在発売中のAXIS144号の表紙インタビューに登場したイギリスのデザインユニット、バーバー・オズガービーも参加。「この展示会への参加は、ソニーの技術を理解し、また、探求するという、今までにないチャンスを私たちに与えてくれました。クリエイティビティを刺激するプロセスを通して、全く新しいアーキタイプを形にすることもできました。展示会では、“無響空間”という非日常的な環境で、これらの新しいアーキタイプをご覧頂きます」(ジェイ・オズガービー)。

「静寂な空間では聴覚は鋭敏になり、視覚が研ぎ澄まされ、おのずと物事の本質へ注意を向けるよう誘われる。街中の雑踏やノイズをそぎ落とすことで、本質とあいまみえる空間を作り出すことを私たちは目指した。ノイズレスな空間の中で、アーキタイプが繰り広げる新しい世界に五感を傾けてみていただきたい」(Sony at Milano Salone 2010のホームページより)。

ソニーが、モノリシックデザインによって、ホームエンタテインメントにどのような価値をもたらし、居住空間をいかに変えようとしているのか。その答えはミラノサローネで明らかにされます。

Sony at Milano Salone 2010–Contemplating Monolithic Design
会期:2010年4月14日〜19日
会場:Officine Stendhal, Via Stendhal35, Milano (Zona Tortona)
Officine Stendhalはステファノ・ジョバンノーニが所有するデザインオフィス。