vol.2
「グリフ」

グリフ(20ドル)は、ニューヨークに住むふたりの若いデザイナー、トム・ガーハートとダン・プロボストが、自らのiPhone 4用に三脚アダプタとスタンドの必要性を感じてつくったアクセサリーだ。

ふたりは、iPhone 4のデザインを損ねるカバーやプロテクターではなく、シンプルかつエレガントな方法で目的を達成することを目指して、グリフを完成させた。

スティック状のグリフには、三脚用のネジ穴のほか、iPhone 4をはめ込むための溝が2カ所に設けられている。そのはめ込む場所を変えると、縦位置でも横位置でも角度調整可能なスタンドになるのだ。

これにより、フォトビューワー的な使い道はもちろん、ワイヤレスキーボードと組み合わせてモバイルコンピュータ風に利用したり、動画の観賞やアップル純正のビデオチャット機能であるフェイスタイム通話をハンズフリーで行えるようになった。

携帯時には、iPhone 4の左下の角に沿うようにはめ込むと、いわゆる感度問題の原因とされるアンテナを兼ねた外縁部のギャップをカバーでき、通話時などにグリップ感を向上させる役割も果たしている。

ミニマルなフォルムと最大限の機能をバランスさせたデザインの見本とも言えるグリフは、トムとダンが設立したスタジオニートのサイトで直販中だ。


大谷和利/テクノロジーライター、東京・原宿にあるセレクトショップ「AssistOn」のアドバイザーであり、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真に関する執筆のほか、商品企画のコンサルティングも行う。近著は『iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』『43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意』(以上、アスキー新書)、『Macintosh名機図鑑』『iPhoneカメラ200%活用術』(以上、エイ出版社)、『iPhoneカメラライフ』(BNN新社)など。