vol.4
「オウル・ブーボ」

映画「オールド・ボーイ」でカンヌ国際映画祭の審査員特別グランプリに輝いた韓国の映画監督、パク・チャヌク氏が、先頃、全編iPhone 4で撮影したファンタジーホラー映画「パランマンジャン(ナイト・フィッシング)」で話題となった。

韓国で1月27日に公開が始まったこの映画の撮影に、iPhone 4を利用したことについてパク監督は、軽く、小さく、誰もが使える製品で撮影したことに意味があり、同時に、安価なため1つのシーンを複数台で異なるアングルから撮影できたと語っている。

韓国で1月27日に公開が始まったこの映画の撮影の際に、iPhoneの固定と一眼レフレンズの取り付けに使われたのが、この「オウル・ブーボ」(169.95ドル)というカメラマウントアダプター。HDビデオカメラ(720p)として素性の良いiPhoneを、より汎用的な撮影目的で使えるようにするアクセサリーである。

全体を1つのアルミの塊から切削したユニボディ構造を持ち、撮影時の振動を軽減する適度な重量感と、4カ所の三脚穴をiPhoneに付加することで、プロ向けのカメラシステムへと変身させる。

一眼レフレンズは、映画的演出に必要な光学ズームやさまざまな画角での撮影の実現のために装着されるが、このためにはビド・アトランティック社の「エンシネマ35mmアダプター」(199ドル)と呼ばれる別のアクセサリーが使われた。

これらのアタッチメントは、高機能なスマートフォンを核とした新しい映像製品のエコシステムが構築されつつあることを示している。



大谷和利/テクノロジーライター、東京・原宿にあるセレクトショップ「AssistOn」のアドバイザーであり、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真に関する執筆のほか、商品企画のコンサルティングも行う。近著は『iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』『43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意』(以上、アスキー新書)、『Macintosh名機図鑑』『iPhoneカメラ200%活用術』(以上、エイ出版社)、『iPhoneカメラライフ』(BNN新社)など。