名作ステルトンに汎用性を
保温ポットのプロトタイプデザインをやってみた

サカイデザインアソシエイツによる「あったらいいなぁ・・・」の8回目は、ポット。魔法瓶とも呼ばれる保温性のポットです。


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酒井俊彦さんはドイツ・エムザ社製のポットを長らく愛用していたそうですが、パッキンがいよいよもって壊れてしまい、代わりとなるものを探し続けているとか。

私が、以前、デンマークを訪れた際は、どこへ行ってもポットはステルトンでした。企業のミーティングルームでも、美術館のカフェでも、個人宅でも。デザインとは関係のない、ごく普通のお宅へ呼ばれても、決まってステルトン。もちろんステルトンは美しいデザインですし、カラーも豊富で、お土産に買って帰ろうと決めていたアイテムの1つです。でも、どこへ行ってもステルトンばかり、ステルトンの似合うインテリアばかりというのは、しだいに奇妙な気分になってくるもので、帰国する頃には、北欧のモダンインテリアを求めている人以外にはステルトンは似合わない、と思うようになりました。

なので、酒井さんの言う「趣味を選ばない保温ポット」を求める気持ちは、よくわかります。けれど、常滑焼の急須、ムーミン柄のマグカップ、ブランドもわからないステンレス製の紅茶ポット・・・、こんなふうに趣味がバラバラの我が家にでも似合うポットはあるのでしょうか。

保温などの機能性の高さだけでなく、とてつもなく包容力のあるデザインを求められるのが保温ポット。実は、とてもデザインの難しいアイテムの1つです。