新刊案内
梅原真著『ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景』

ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景
 梅原 真 著(羽鳥書店 2,730円)

2010年7月に刊行されたデザイナー、梅原 真の初の作品集。イラストレーターの大橋 歩が描いた書籍の帯には、「ウメちゃんを信じなさい!」という言葉と、「アカンヤンカマン」という梅原のイラストが添えられている。これは、いつも梅原が「アカンヤンカ!」と言っているから。そう、本書には、梅原が「これはアカン」と言った47のプロジェクトが集められている。

冒頭に梅原は書いている。


一次産業がうまくいっていないなぁ、
と思い始めてから世の中おかしくなってきた。
では、ボクに何が出来るのか?
一次産業にDesignをかけあわせる

▶新しい価値が生まれる
▶新しい価値は経済となる
▶経済がうまくいけばその一次産業は生きのびる
▶そして風景が残る。

1987年の夏。カツオ一本釣り漁師が訪ねてきた。
このままでは船がつぶれるといった。
一次産業にDesignをかけあわせたら、
やがてその商品は年商20億円の産業となった。
土佐に一つの風景が残った。
「一次産業×Design=風景」
この方式でニッポンの風景を残そう。
そう考えるようになった。


梅原は「ブランディング」とか「地域産業の再生」といったような言葉を、いっさい使わない。けれど、梅原のデザインワークはまさしくブランディングといえるもの。そして、「いまのニッポンは“アカン”と思います。ここにあるのはすべて“アカンヤンカ”から始まった仕事です」と綴っている。

「島じゃ常識 さざえカレー」や「行政も、ここまでできるんやをやりたい“とさのかぜ”」のように、すべてがキャッチコピーのような梅原の文章も必見。A5判、並製、240頁。


なお、9月13日(火)に、梅原 真氏を講師にお招きし、AXISフォーラムを開催いたします。詳細については、こちらをご覧ください。

また、羽鳥書店のウェブサイトには、本書に登場する47のプロジェクトが紹介されています。