リモコンは何個もいらない!
理想のマルチリモコンのプロトタイプを作ってみた

サカイデザインアソシエイツのウェブには9月11日にアップされた「あったらいいなぁ・・・」の最終回。

(動画が表示されない場合は、こちらへ)


酒井俊彦さんは自らのコラムで下記のように綴っています。


少し前、「プロダクトデザイン」が雑誌でよく取り上げられていた頃、マルチリモコンの特集もよく見かけました。僕はものぐさなので、自分でリモコンを設定するなんて気が起らなかったのと、家にリモコンが2つしかないので特に興味を持つことはありませんでした。

それでも、無駄にデザインに力の入った我が家のテレビのリモコンを見ると、今でも時折イラッときます。本当に簡単な設定で「時折のイラッ」が解消されればと思ったのが今回のマルチリモコンです。

ひょんなきっかけから始まった「あったらいいなぁ・・・」も今回で最終回です。
毎月観てくださった皆さん、本当にありがとうございました。
AXISのWEB上での連載も今回が最終回となります。
少しお休みしてまた別のコラムをスタートするのでご期待ください。
最後に、素晴らしいCGを作ってくれたモノグラフアーツととぼけた漫画を書いてくれたうちのスタッフに感謝します!


酒井さんのコラムを読んで、まず思ったのが「リモコン2つなんて少ない!」。うちには時々使うものを含めて7つのリモコンがあり、普段、リビングに出ているのは2つ。でも家の者がすぐ出してしまい、気づくと4つのリモコンが小さなテーブルを占領しています。しまう人と出す人。そのいたちごっこです。

もちろん以前にマルチリモコンに統一を試みたことはあるものの、結局、1つにならないことがわかり、サジを投げました。数年前のことなので、その後、市販のマルチリモコンは改良されているのかもしれませんが、「あったらいいなぁ・・・」のような全面ディスプレイはありません。それも型番を入力することで、ネット経由で既存のリモコンと同じ操作面がディスプレイ上に現れ、写真を撮ることで画像認識がされ、家電とリモコンがつながるとは! 型番入力と撮影だけなら、設定のハードルが格段に低くなりますし、酒井さんは「現行の技術で十分できるはず」と言います。

それにしても、家電業界として規格を統一し、ユーザーの利便性を図るという考えに向かっていないことが、リモコンという小さなアイテムに凝縮して現れているように感じられます。今回の「あったらいいなぁ・・・」は、フォルムや使い勝手、暮らしのデザインというだけでなく、日本の家電の奥深くにある問題点をやんわりと浮かび上がらせているのかもしれません。

そして、本連載は、今回が最終回とのこと。つくり込んだCGをマンガとともに堅苦しくなく、楽しく公開する、なんともサカイデザインアソシエイツらしいアプローチだったように思います。次なるコラムも期待します。