AXIS 155号は12月28日発売です!

カバーインタビュー トラフ建築設計事務所(建築家)
「人がどう関わるか」から考えることで見えてくる新しい風景
鈴野浩一と禿 真哉が2004年に立ち上げたトラフ建築設計事務所。あるプロジェクトに向けて1回限りのつもりで組んだふたりは、「トラフ」という名前を音の響きで決めたという。2011年秋の東京のデザインイベントでは12に上る展示と講演に関わり、その人気の高さをうかがわせた。建築からインテリア、プロダクトデザイン、舞台美術までを手がける彼らの「建築的思考」を探る。

特集 日用品のチャレンジ
どこにでもある“ありふれたもの”ととらえられがちな日用品。場合によっては分野も種類も関係なく、一括りで雑貨よばわりされることもある。そんな日用品だからこそ、デザイナーの活躍の場があるはず。既存の枠には収まらない、“日用品のチャレンジ”を紹介していく。

匠のかたち 石鹸
固形石鹸は、材料や製法の違いによって数時間ででき上がるものから、数十日を要するものまでさまざまある。そのなかで、昔ながらの製法である釜で焚き上げてつくった石鹸は、どこか素朴でほっとさせるような懐かしさを感じさせる。日々使われてなくなる消耗品であるが、石鹸製造の現場には、人の目と手が品質を支える手づくりの要素がまだ残っていた。

オピニオン クリスチャン・ソテール(パリ副市長、雇用・経済開発・観光誘致担当)
「文化産業はいつの時代においても国の繁栄を担う重要な役割を担う」
ジャック・シラク政権下における1999年から2000年にかけてフランス経済・財政・産業大臣に就き、現在はパリ市の雇用・経済開発・観光誘致担当として同副市長を務めるクリスチャン・ソテール。その知見は今、クリエイティブクラスターや観光産業の推進に注がれ、華やかな都の持続的発展の一翼を担う。このほどパリのクリエイション関連見本市を紹介する「都市外交」のために来日した氏に話を聞いた。

トピックス エクスペリメンタ・デザイン2011レポートーー「ユースレス」に込めた意図
ポルトガルのデザインビエンナーレ「エクスペリメンタ・デザイン(EXD)」が2011年9月末から11月にかけてリスボンで開かれた。EUにおけるポルトガルの経済状態に懸念が広がるなか、例年より規模を縮小しながらもレクチャー、ディスカッション、エキシビションから成る内容は実に充実したものだった。ビエンナーレの全体テーマ「ユースレス」を巡る議論、そして単独展示を行ったフェルナンド・ブリジオの作品を紹介する。

トピックス ダニエル・リベスキンドによるドイツ連邦軍軍事歴史博物館のリデザイン
ドイツ連邦軍が構想から10年の歳月と6,200万ユーロの巨費を投じて、ドレスデンにある軍事歴史博物館のリデザインプロジェクトを敢行した。増築の設計を担当したのはダニエル・リベスキンド。彼の象徴的な”楔”の建築と、今までにない展示コンセプトによって、21世紀にあるべきミリタリーミュージアムの原型をつくり出した。

トピックス 「AXIS明朝」という試みーー21世紀の明朝体はどうあるべきか 
2011年9月、『AXIS』誌は創刊30周年を迎えた。それを記念して新しい専用書体となる「AXIS明朝」を開発。本号よりこの記事を含めた一部に導入が始まった。従来使用してきたAXIS Fontに新たなバリエーションが加わることで、本誌のエディトリアルデザインはこれまでとは異なるステージに立つことになった。AXIS明朝の目指すところは何なのか。開発にあたったタイプデザイナーの鈴木 功と本誌アートディレクターの宮崎光弘に狙いを聞いた。

その他トピックス
IDEO財団の取り組みーー貧困問題を解決できるリーダー育成
ヘルシンキ・ワールドデザインキャピタルとサービスデザイン
技術とクリエイションの交流を促す「デンマーク木製家具職人展」という活動
コクヨデザインアワード 2011ーー「学び」のデザインはどこまで広がるか
新しい対話のかたちーー「POST 3.11 これからデザインにできること」展

その他連載
ザ・プロトタイプ 「シチズン ウォータータイム」
まばたきの記憶 「時間を測るスプーン」
廣村正彰のJunglin’ 「ご飯の盛りは地位の証」
東京土木LIFE 「オシャレな街になりたいの」
本づくし 「田川欣哉/安次富 隆/深澤直人」
産学共同の正しいやり方 「上田安子服飾専門学校と塩ビ工業・環境協会」 ほか