新刊案内
並河進 著
『ハッピーバースデイ3.11 あの日、被災地で生まれた子どもたちと家族の物語』


『ハッピーバースデイ3.11 あの日、被災地で生まれた子どもたちと家族の物語』並河 進 著/小林紀晴 写真(飛鳥新社 1,260円)

ユニセフが屋外ビジョンやYouTubeで流している映像、または昨年10月から各地で開かれている写真展をご存知だろうか。一連のプロジェクト名は、「ハッピーバースデイ 3.11」。コピーライターやカメラマン、ディレクターなどの有志が始めた、あの日、被災地で生まれた子供たちとその家族に焦点を当てた、写真を中心にしたルポルタージュだ。

本書には、2011年3月11日に生まれた11人の赤ちゃんと母親、その家族が登場する。「駐車場での出産、浸水する病院、停電や寒さとの闘い……。それは、壮絶な命の記録」と帯に書かれているが、その壮絶さとは裏腹に、写真に映る赤ちゃんたちの笑顔や瞳のなんとまっさらで清らかなこと。

写真家の小林紀晴が、「とても撮りたい存在でした。過去をいっさい持たない子どもほど、未来を強く感じさせるものはないからです。私はその小さな姿に、希望を託す気持ちでカメラを向けました」と語っているように、本書から強く感じられるのは未来への希望だ。

そして、小林はこうも綴っている。「写真を撮りながら、私はずっと考えていました。私たち大人は、何も知らぬ彼らの瞳に何を映してあげられるのか、あげなくてはならないのかについて」。

インタビューを受けながら自然と涙が頬を伝う母親の言葉に、そして子供たちの姿に、命の尊さを思わずにはいられない一冊だ。四六判、152ページ。

なお、写真展は、3月30日(金)まで東京・高輪のユニセフハウスで開催中。詳細は、こちらまで。