五感を刺激する新たな車両展示演出
MODI × WOW「“WYVERN” born by the wind」

岩手・一関を拠点に車両の試作・モデル製作などを手がけるMODIと、ビジュアルデザインスタジオのWOWとのコラボレーション「“WYVERN” born by the wind」が、AXISビル1階センターコートにて11月4日(日)まで開催中です。

日本を代表するカロッツェリアとして、幾多ものコンセプトカーや試作車を手がけてきたMODI。同社は今年設立20周年を迎えます。今回の試みはそんなアニバーサリーにちなんで企画され、同社が培った高度な技術ノウハウとものづくりを支える理念を改めてアピールする機会と位置づけられています。

▲MODIのオリジナル設計デザインで開発された「WYVERN」。量産車では実現が難しいこだわりがボディーの随所に表れます。

会場に展示されるのは、機能やスペック重視の量産車とは一線を画し、走行感や造形美、官能性といった要素にこだわって開発されたワンオフカーの「WYVERN(ワイヴァーン)」。分業体制が当たり前とされるクルマづくりにおいて、デザイン・試作開発から製作までを自社で一貫して行い、カロッツェリア式ものづくりの技術とノウハウを結集して生まれたミッドシップ型2シータースポーツカーです。

大きく盛り上がったフロントフェンダー、ミッドエンジンを象徴するサイド・エア・インテークなど、均整のとれた機能美と視覚美のバランスの良さが際立つその姿は、60年代に登場した往年の名車フェラーリ「ディーノ」を彷彿とさせます。開発を担った同社デザイン開発室 シニアマネージャーの星宮裕佑樹氏は、エクステリアデザインの意図を「かつての美しく力強いレーシングカーを、現代的にモディファイした」と語ります。

▲「WYVERN」とは“2本脚で立つ翼を持ったドラゴン”を意味します。ヘッドランプ類は、東北の地から羽ばたく飛竜の生命力や目ヂカラをイメージした表現に。

さらに、WYVERNの優雅で躍動感のあるボディは、同社が得意とする精密な空力処理技術によって磨き上げられているとのこと。車体に流れる空気をどのようにして制御するかは、ボディ開発における最重要課題の1つといわれ、運転時の安定性や加速スピードなどのドライブパフォーマンスに直結します。「この見えない風の流れを可視化し、クルマが静止した状況でも疾走感や生命力を感じてもらいたいと考えたとき、ビジュアルデザインの世界で独自の世界観を提示し、新しいクルマの展示演出について思いを共有するWOWとの協業であれば、従来にない演出が可能になるだろうと思い立ちました」と星宮氏は言います。

▲薄い2枚のオーガンジーが、風をはらみながら車体の上をたゆたいます。立体的な動きを見せるこの布に向けて、WOWが制作した生命力に溢れた映像が映し出されます。

その演出は、車体を覆うように掛けられた2枚のオーガンジーがプログラム制御によって有機的に宙を舞い、布の動きと連動するかたちで映像がプロジェクションされるというものです。オーガンジーに投影された映像は、ヘッドライトの点灯を思わすブルーライトの閃光からスタートし、徐々に鼓動のような点滅へと変わり、その後いくつもの光の流れとなってクルマが勢いよく滑走する様子を見事に表現。見る者が思わず声を上げたくなるような疾走感に溢れます。

「東日本大震災によって、我々のデザイン開発部隊が入居していた建物が全壊を余儀なくされました。その影響で一時は業務も滞りましたが、現在は研究開発スタジオの入った別棟の2階に拠点を移して操業しています。日本のものづくりは厳しい環境にさらされていますが、新しいことに果敢にチャレンジする姿を示すことで、東北におけるものづくり産業の復興を牽引できれば」(同社代表取締役、村上竜也氏)。東北が発祥の地という共通点を持つMODIとWOWが、クリエイティブの力で復興を世界にアピールすることを目指したイベント。会期は11月4日(最終日は17時終了)までとなりますので、ぜひ、お見逃しなく!

MODI × WOW「“WYVERN” born by the wind」
会期:10月31日~11月4日(11時~20時まで、最終日のみ17時終了)
会場:AXISビル1Fセンターコート(東京都港区東京都港区六本木5-17-1 地図はこちら
問い合わせ:Tel. 03-3587-2781
入場料:無料