vol.26
「モノクル」と
「コブラウォレット」

今回は、どちらも気ニナル存在なのだが、製品化の可否が対照的な2つのiPhoneアクセサリを採り上げてみる。両者共にキックスターターで事業化を目指したが、明暗が分かれる結果となった。

1つ目は「モノクル」。片眼鏡を意味するこのアイテムは、iPhoneのストロボを自転車のテールライト(あるいは、夜間のジョギングなどで被視認性を高める警告灯)代わりにするというアイデアだ。

もちろん、そのままではiPhoneのストロボは任意に点滅させることができず、また発光色も白色であるため、所期の目的が果たせない。そこで、専用アプリを開発して点滅の間隔や時間を設定し、やはり専用のケースの中にiPhoneを上下逆さまに入れることで、赤い透明窓からストロボの光が見えるようにした。

1秒間に3回の点滅を15分間続けても、iPhoneのバッテリー消費は7%程度に過ぎないそうなので、目の付け所がユニークなプロジェクトと言えた。

もう1つは「コブラウォレット」。ステンレスのコアをTPU(サーモプラスチック・ポリウレタン)カバーした本体は、少なくとも8枚のカード類をスマートに収納でき、加えて数枚の紙幣も隠し持てる。また、RFIDの電波を遮断する機能を持ち、スキミングの防止にもなる。

そして、最大の特徴は、くの字型に開いた状態でスマートフォンのスタンド(縦置き/横置き両対応)になる点だ。カード入れは常に持ち歩くので、わざわざスタンド類を持ち歩く必要がなくなるという発想である。さらに、製品名の頭文字であるCをモチーフにしたロゴが、ちょうどスマートフォンを立てかけたコブラウォレット自体に見えるという点も面白い。

どちらも、普及したスマートフォンのアクセサリとしての位置づけで製品化を図ったが、モノクルは8,000ドルの資金を集める予定が1,730ドルにとどまったために成立せず、コブラウォレットは30,000ドルのゴールに対して50,444ドルを集めて見事に製品化にこぎ着けた。

思うに、モノクルは既存のアプリと布製のケースに少し手を加えれば似たことができそうなのに対し、コブラウォレットには工業製品としての魅力と手づくりでは到達できない精密感がある点が、資金調達の分かれ目になったのだろう。

おそらく少ロットでも生産可能なモノクルは、独自に資金調達して製品化してくるものと考えられるが、そもそもそれが可能なプロジェクトであれば、目の肥えてきたキックスターターの登録ユーザーには積極的にバックアップするモチベーションが生まれないと言える。

日本でもクラウドファンディングの活動が活発化してきた昨今、他山の石になりそうなプロジェクト2題であった。